2015 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン太陽電池におけるパッシベーション材料の固定電荷制御のモデル化に関する研究
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13J10965
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
池野 成裕 明治大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 表面パッシベーション / 太陽電池 / 表面・界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコン(Si)太陽電池表面パッシベーション材料の探索および物理特性の評価を行った.材料探索は採用年度以前から継続して進めており,ジルコウニム(Zr)およびイットリウム(Y)酸化物の合成材料をコンビナトリアル手法により一基板上に作製を行い,最適組成ZrO2 (85 %)-Y2O3 (15 %)において最大負の固定電荷を有することを明らかにした.この組成をZYOとする.より膜中固定電荷を誘起する構造の検討として,固定電荷層/界面層から成る積層型パッシベーション構造の検討を行った.p型Si基板に対して優れたパッシベーション材料であるAl2O3上に,高い負の固定電荷密度を有するYZO(YZrOx)膜を成膜したYZO/Al2O3/Si構造を提案・作製し,評価を行った.YZO/Al2O3/Si構造における固定電荷密度を求めたところ,YZO膜をAl2O3/Si構造上に単純に積層することで熱処理前および熱処理後共にパッシベーション特性はAl2O3/Si構造と比較し劣化した.この現象を理解する為に組成分析を行ったところ,拡散係数の違いからAlとYの原子相互拡散により,YZO/Al2O3界面の化学結合状態が変化したことに起因することを確認した.そこで,YZO/Al2O3界面に原子拡散防止を期待し,制御層としてZrO2層を挿入したYZO/ZrO2/Al2O3/Si構造に関して検討を行った.表面再結合速度および固定電荷密度の結果より,ZrO2を2 nmを挿入することにより600℃までの熱耐性効果が得られ,Al2O3単層膜に比べ,高いパッシベーション性能が得られることを確認した.ZrO2層を必要以上に厚くするとパッシベーション特性の向上は確認できなかった.従って,ZrO2層の膜厚には最適値が存在することを確認した.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)