2013 Fiscal Year Annual Research Report
絵を用いた対話創出のための絵情報共有型会話エージェント Pictgent の研究
Project/Area Number |
13J10978
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
上野 未貴 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 絵モデル / Pictgent / 絵の自動生成 / 絵のセマンティクス / 2コマ漫画生成システム / 対話システム / 感性情報 / コミック工学 |
Research Abstract |
絵は情報量が多く, 年齢や国籍問わないコミュニケーション手段として優れるが, 絵に含まれる意図や感情などの意味的情報を定量化することは困難である. この問題を背景として, 本研究の目的は絵の工学的なモデル化を実現し, 絵を用いた対話システムPictgentに組込むことで対話時に有用な手法を確立することである. 今年度は手法の核となる絵の工学的モデル化に取り組んだ. まず, 状態遷移のある絵集合である4コマ漫画に着目し, 既存作品から160話を対象として, 絵中に出現するオブジェクト種とその状態変化分布に絞った情報をデータベース化した. この情報をもとにユーザが配置したオブジェクトの情報に基づいて次のシーンの絵を生成する2コマ漫画生成システムを構築した. これを人工知能学会(2013年6月)およびHCGシンポジウム(2013年12月)においてインタラクティブ発表をすることで, 絵の情報を共通資源とするため広く専門分の研究者から意見を集めた. さらに, この手法の有効性については, Distributed Computing and Artificial Intelligence Advances in Intelligent and Soft Computing (2014年6月)にて発表予定である. また, 人の感性をモデル化するため, 自然言語を入力として, 感情の強度を要素とするベクトルに変換し, そのベクトルに基づいたフラクタル画像を出力する手法をThe Second Asian Conference on Information Systems (2013年11月)にて発表した. システム構築を通して絵の定量化を進めると同時に, データ収集・評価フィールドを広げた. 具体的には, 出版社の見識が有用と考え, 自身がチームリーダーとなり, 共同研究プロジェクトを発足し進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
絵の定量的な工学的モデル化を目的とし, 基板情報の明確化, 基板情報データベースに基づくアプリケーションの作成を進めた. また, 共同研究のプロジェクトを発足し, メンバーを牽引して, データ収集・評価の地盤を固めた. テーマ遂行の中心部の進行度合から, このように評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究のプロジェクトの中で, 外部でモニタリングの実施をし, 学会やインターネット上では集めづらい児重からのデータを収集したため, 分析を進める. さらに, 絵と短いストーリーを有している媒体である絵本を約200冊選定し, その内容を対象として, オブジェクトと状態変化の種類をデータベース化して解析する. 26年度は, 前半は引き続き上記の方法を用いてデータベースの構築に注力し, 絵モジュールの精度を高め, その後, Pictgentに組込んで, 他のモジュールと統合した相互発展合を目指す.
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Research Products
(6 results)