2013 Fiscal Year Annual Research Report
息子介護者のサポートネットワーク構築に関わる心理社会的条件の検討
Project/Area Number |
13J11047
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
平山 亮 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター, 東京都健康長寿医療センター研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高齢者介護 / 男性介護者 / ソーシャル・サポート |
Research Abstract |
本研究は、親の主介護者である男性(息子介護者)を対象に、彼らがどのようなサポートを必要/不要と考えているのか、また、どのような理由から必要/不要と考えているのかを質的な社会調査の方法で検討し、息子介護者が支援を受け入れやすくなる条件を探ることを目的としている。 平成25年度は、まず、福祉社会学やジェンダー研究の研究者、支援専門職者との議論をもとに、実現可能性が高く、且つ問題設定に即した息子介護者のリクルートの方法、および面接の方法を検討した。それをもとに、関東圏の都市部・地方部の居宅介護支援事業所の協力を得て、面接調査参加者のリクルートを開始した。 過去の調査経験から予想していた通り、息子介護者のなかには他者との接触に消極的な「閉じこもり」型の男性も多く、対象者のリクルートは必ずしも容易とはいえない状態が続いている。しかし、各事業所の職員の協力を得つつ、当該地域の実情にあわせて調査参加依頼のしかたを再検討しながら、これまでに6名の息子介護者に対し、自宅での訪問面接調査を行った。また、息子介護者の担当ケアマネジャーらにも面接を行い、対象者の介護状況・生活状況、およびサポート・ネットワークに関する現状について、多角的に情報を収集することができた。 また、25年度には、息子介護者についてのこれまでの研究の成果を、一般向け書籍として刊行することができた。今後も増加が見込まれる息子介護者の現状と課題についての知識を普及させ、幅広く議論を可能にするための土壌形成に貢献できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
母集団も小さく、アクセスが必ずしも容易ではない息子介護者が調査対象であるが、25年度は当初の目標通り、都市部から地方部まで複数の地域で訪問面接調査を開始することができた。協力を得ている居宅介護支援事業所から示唆を受け、より効果的な対象者リクルート方法を考案することができたため、次年度以降の調査を円滑に実施することが可能になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、面接調査を行う。調査は、25年度に検討した方法を継続して用いるが、1地点で面接可能な息子介護者の人数が限られるため、対象者リクルートを行う地域を拡大する予定である。また、初期に収集されたデータの分析結果を国内外の学会等で報告し、研究の方向性や、分析結果とその解釈の妥当性について議論を重ねたいと考えている。
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