2013 Fiscal Year Annual Research Report
花粉管による誘引物質群LUREsの受容・応答機構の解明
Project/Area Number |
13J30004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥田 哲弘 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 植物 / 生殖 / 花粉管ガイダンス |
Research Abstract |
被子植物の受精において、花粉から伸びる花粉管細胞は複雑な雌しべ組織の中で迷うことなく、卵細胞のある微小な領域へと正確に誘導される。この花粉管ガイダンスという現象において、花粉管誘引物質LUREsは最も重要な雌側の鍵因子の1つである。本研究では、花粉管誘引物質群LUREsの受容体を同定するとともに、花粉管によるLUREsの受容・応答機構を解明することを目指している。25年度は、花粉管の回収方法やタンパク質の抽出方法を改良するとともに、質量分析機の選定を行なった。これにより、2939種類の花粉管タンパク質を同定し、同定数が従来の約2.6倍に向上した。また、花粉管の生理状態の変化によって、LUREとの結合能をもつステージと、もたないステージがあることに着目して、比較プロテオーム解析を行なった。この結果、LUREとの結合能をもつステージの花粉管において、1305種類のタンパク質で有意差があることを明らかにした。これらのうち、受容体様キナーゼにアノテーションされるタンパク質を複数同定した。これらを受容体候補タンパク質として、クローニングを行なった。さらに、結合能の異なるステージの花粉管を材料として、Hisタグ融合LUREを与えたのち、架橋剤を加えたものにっいてタンパク質を抽出し、Ni^<2+>ビーズを用いてプルダウンを行ない、LURE-受容体複合体を精製した。これらについて、質量分析を行なった結果、LUREとの結合能をもつステージの花粉管で、複数の受容体様キナーゼを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度は、花粉管プロテオーム解析において、サンプルの調整法を改良するなどして、タンパク質同定数が従来の2.6倍に向上した。また、LURE結合能の有無に着目した比較プロテオームによって、受容体様キナーゼを複数同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、クローニングした受容体様キナーゼとLUREとのin vitro結合実験を進めるとともに、発現阻害実験を行ない、LUREの受容体を同定していく。
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Research Products
(2 results)