2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J40093
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
難波 亜紀 日本大学, 生物資源科学部, 特別研究員(RPD)
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Keywords | インタ-フェロン(IFFγ) / ニジマス / E. tarda / ワクチン / 細胞性免疫 / ウイルス / 抗病性 / 細胞内寄生性細菌 |
Research Abstract |
本研究では、細胞障害性T細胞(CTL)やマクロファージの分化・活性化など細胞性免疫機能向上効果を有するIFNγに着目し、重要養殖魚種であるニジマスのIFNγ遺伝子組換体を作出し、同組換体を用いて魚類における機能を明らかにすることを目的としている。その成果は、細胞性免疫の増強によりワクチンの効果を促進するアジュバントとしての利用や魚体の抗病性(特に細胞性免疫機能)評価法への応用につながることが期待される。 本年度は、次年度の先行試験として、モデル魚であり既に作出に成功していたギンブナのIFNγ遺伝子組換体を用いて魚体への接種投与実験を行い、細胞寄生性細菌であるエドワジエラ症原因細菌を用いた人為感染に対して有意な生残向上効果をもたらすことを明らかにした。また、ニジマスIFNγ遺伝子組換体(rIFNγ)を作出し、rIFNγを抗原として抗ニジマスIFNγ抗体の作製および精製後、ELISA法によるIFNγの測定系を構築した。すなわち、まず既知塩基配列を基にプライマーを設計し、YolyI : Cで刺激したRTG-2細胞から抽出したmRNAを鋳型としてPCRを行い、全塩基配列を決定した。次に同配列をpET-16bベクターに導入して大腸菌に形質転換し、最適誘導条件を検討することでrIFNγを得た。得られた組換体を精製し、電気泳動およびLC-MS/MSまたはN-末端アミノ酸配列解析の組み合わせにより目的タンパク質であることを確認した。そして、抗原タンパク質としてウサギに接種し、得られた抗rlFNγポリクローナル抗体を得た。更に、次年度より解析を予定している、ニジマスを供試魚とした伝染性造血器壊死症(IHN)に対する免疫賦活剤の有効性の論文を発表した。次年度は、作出した抗体を用いたIFNγの測定系を構築し、免疫賦活剤によるIHNの予防効果とIFNγ産生の関連性解析を進めるとともに、rIFNγを用いた機能試験を行う。以上のことから、今年度は「研究実施計画」に沿って全て遂行し、更に次年度以降における予備実験も実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実施計画」予定であったニジマスのIFNγ遺伝子組換体の作出に成功し、同組換体を抗原タンパク質として抗ニジマスIFNγ抗体を得た。また先行予備試験として、IFNγの魚体投与試験をギンブナで実施し、その有効性を確認した。さらに、次年度から解析予定である飼育・感染実験系も確立. 公表できたことから、達成度の区分を①とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、①ELISA法によるIFNγの測定法を確立し、②ニジマスのIFNγの機能解析、の計2点を中心に進めて行く予定である。
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Research Products
(4 results)