2013 Fiscal Year Annual Research Report
イネ耐旱性関連形質の同定ならびに環境ストレス要因との相互作用
Project/Area Number |
13J40128
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仲田 麻奈 (狩野 麻奈) 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 特別研究員(RPD)
|
Keywords | イネ / QTL / 根系形質 / 土壌水分 / 天水田 / フィリピン |
Research Abstract |
1. 耐旱性NERICAを用いた根系形質の同定と環境との相互作用 NERICA1とNERICA4の根系発育ならびに地上部生育を改良根箱・ピンボード法を用いた土耕条件で定量的に評価した。その結果、NERICAIとNERICA4とでは、窒素施肥量に対する反応は異なり、NERICA1は高窒素区で地上部生育、根系発育が最も優れていたのに対し、NERICA4は標準区における生育が最も優れていた。このことから、NERICA1とNERICA4には、それぞれ異なる最適窒素施肥量が存在することが示唆された。 2. 根系が発揮する可塑性の機能解析および関連遺伝子座の同定 根系の呼吸速度を測定するため、赤外線ガスアナライザー(Li-840A)を用いた閉鎖系動的チャンバーシステムについて検討した。水耕条件で成育させた幼植物を用い、根系の呼吸速度を評価した結果、根呼吸速度は、品種/系統間、および処理間(対照区、乾燥ストレス区)で大きな差は見られなかった。 さらに、KDML105に日本晴を戻し交雑して作成した染色体断片導入系統群を用い、圃場と土耕系で根系発育に関わる可塑性形質を評価した。その結果、土壌水分変動条件に対して根系の可塑性を発揮し乾物生産が優れる系統を選抜した。 3. フィリピン国内におけるイネ耐旱性形質と環境との相互作用評価 フィリピンイネ研究所(PhilRice)内の実験圃場にて、2014年1月より乾季作栽培評価試験を実施した。フィールドの土壌における水分・養分や土壌硬度の空間的分布、時間的変化を観測し、土壌環境ストレスの実態を解明するためデータを整理している。イネを収穫後収量や根系形質について解析を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耐旱性品種/系統の形質同定とその機能解析ならびに耐旱性形質と環境要因との相互作用について、順調に目的を達成できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
根呼吸測定について、生育ステージの異なる植物体を対象に評価する必要がある。また、土耕条件下における根系の可塑性発揮と根呼吸との関係について評価し、根系の可塑性発揮におけるメカニズムを解析する。
|
Research Products
(11 results)
-
[Journal Article] Nitrogen application enhanced the expression of developmental plasticity of root systems triggered by mild drought stress in rice.2014
Author(s)
Tran, Thiem, Thi., Kano-Nakata, Mana., Takeda, Moe., Menge, Daniel., Mitsuya, Shiro., Inukai, Yoshiaki. and Yamauchi, Akira.
-
Journal Title
Plant and Soil.
Volume: 378
Pages: 139-152
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-