2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会認識関連神経ペプチド-オキシトシン-の脳内分泌機構の解析
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13J40171
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻 知陽 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特別研究員(RPD)
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Keywords | オキシトシン / バソプレシン / 電気生理 / マイクロダイアライシス法 / スクリーニング / イメージング / 分泌 / 神経 |
Research Abstract |
研究の目的 視床下部ホルモンである、オキシトシンが「信頼や愛情を促す」ホルモンとして着目されており、オキシトシンを治療薬として使用する臨床治験が進行中である。バソプレシンについても同様に検討されている。ところが、脳内でのオキシトシンやバソプレシンの分泌の分子機構の詳細はわかっていない。本研究では、細胞レベルで、オキシトシンの分泌神経で分泌に関わる分子の同定及びその機能を秒単位で分子の相互作用を観察出来るイメージング手法である単分子スペックル法を応用して解明し、個体レベルでは、in vivo電気生理の手法やマイクロダイアライシス法にて、細胞レベルで同定した分子が、神経伝達ペプチドの分泌にどのような局面で分泌しているか、本当に相互個体認識に関係しているかを検証する。 今年度研究実施計画では、1)視床下部のオキシトシン分泌神経が多い室傍核、視索上核の領域から、total RNAを精製し、マウスに存在する約60種類のRabのうち、視床下部に発現するRabをRT-PCR法にて同定し、単分子イメージング法を応用し、オキシトシン分泌に関与があるRabを同定する。2)スクリーニングした遺伝子がオキシトシン分泌に関与するかどうか個体内で確認するための実験系である電気生理的手法を海外共同研究先にて取得する。以上二つが計画予定であった。1)の実験計画においては、視床下部に発現するRabの同定を終えることができなかった。しかし、2)の実験計画である電気生理学的手法の取得は計画通りにすすんでいる。個体認識に関与する脳内部位の神経活動を電気生理学的に測定、分類し、分類した神経群の発火パターンにオキシトシンやバソプレシンがどのように関与するか検討を行った。その成果をまとめ、一部のデータを国際学会である10^<th> World Congress on Neurohypophysial Hormonesで発表し、現在、上記で述べたデータをまとめ、論文作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)の実験計画では、遅れがあるものの、2)の実験計画では、成果があり、論文作成作業にとりかかることができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、2)の実験計画については、論文発表というかたちで、成果があると考えられる。1)の実験に関しては、当初の予定よりも遅れがあるか、来年度には、RT-PCRによるスクリーニングを終え、イメージングに着手したいと考えている。また、共同研究先には、オキシトシン類似ホルモンであるバソプレシン細胞特異的にGFPが発現する遺伝子改変ラットがおり、これらのラットを用いてより簡便に遺伝子スクリーニングする方法も検討する予定である。
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Research Products
(1 results)