2016 Fiscal Year Annual Research Report
自己制御における意識と無意識-自己制御の階層モデルの提案-
Project/Area Number |
13J40182
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
及川 晴 同志社大学, 心理学部, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 社会心理学 / 自己制御 / セルフコントロール / 目標 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3年目である本年度は、以下に示す3つのプロジェクトが進められた。 1)自己制御の文化比較 日常の自己制御における無意識と意識の関係を検討するために実験結果の日米文化比較が行われた。この研究は、意思決定における意識的な熟慮過程の弊害を実証的に示し、また、その文化差をみるものであった。無意識に行われる判断が多分に環境の影響を受けており、自己制御の意識的統制は限定的であることが示された。 2)自己制御の発達に関する調査 自己制御の発達の過程を検討するために、前年度に引き続き、母子の質問紙調査および聞き取り面接が行われた。この研究では、「どのような人間でありたいか」という抽象的な視点から目標を捉えるBeing goalと、「何をしたいか」という具体的な視点から目標を捉えるDoing goalという階層の異なる2つの目標を新たに提案し、検討することが目的であった。未就学児の母親180名を対象とした。目標の抽象度が高いBeing goal群においては、目標遂行における困難度の得点が高いほど、目標遂行に対する満足度の得点が高かった。一方で、Doing goal群においては、目標遂行における困難度の得点が高いほど、目標遂行に対する満足度の得点が低かった。 3)上位信念の変化がもたらす自己制御の変容 自己制御の階層モデルに基づけば、行為目標や一次的な自己制御における無意識的過程の働きは意識的な統制に左右されない特徴を持つが、存在目標や二次的な自己制御における無意識的過程の働きに関してはその限りではないと考えられる。今年度はこの検証のために、大学生を対象とした調査が行われた。目標の抽象度が高いBeing goal群においては、目標遂行における困難度の得点が高いほど、目標遂行に対する満足度の得点が高かった。一方で、Doing goal群においては、困難度の得点が高いほど満足度の得点が低かった。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] For your local eyes only: Culture-specific face typicality influences perceptions of trustworthiness.2017
Author(s)
Sofer, C., Dotsch, R., Oikawa, M., Oikawa, H., Wigboldus, D. H. J., & Todorov, A.
-
Journal Title
Perception
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-