2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13NP0101
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 浩 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10009821)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 敦志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30152250)
中谷 和弘 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60164216)
江頭 憲治郎 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (20009822)
城山 英明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40216205)
長谷部 恭男 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80126143)
|
Keywords | ボーダレス化 / 法システム / 再構築 / 法的制度 / 法概念 / 法的形式 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度まで研究活動の主体であった経済問題群、安全保障と刑事法問題群、社会問題群、情報問題群、環境・人間問題群の問題領域を串刺しにする「国家と社会」領域、「国際化と法」領域、「科学技術発展と法」領域の3領域を設定し、議論を行った。 「国際化と法」領域では、以下のような問題を取り上げた。公共性、公益の揺らぎの中で国家の機能の変遷が進み、他方、企業や家族といった社会も変容している。そのような状況下における法の担い手としての各種法人、各種団体の位置づけの整理をし、市場、情報、福祉、環境といった諸領域で、国家と社会との役割分担・調整に関する新たな法システムの構築を模索することを試みた。 「国際化と法」領域では、以下のような問題について考察した。空間的な意味での「境界」が一方では実体的に移動し、他方ではその意味を変容させているという状況下で、そうした流動的な境界を超えたヒト・モノ・カネ・情報の往来がますます増大しているが、この状況に法制度及び政治がどのように対応しようとしているのかということについて横断的考察を試みた。 「科学技術発展と法」領域では、以下のような問題を取り上げた。遺伝子技術の発達が法的思考の基礎にある人間観に対して深刻な疑問を提起し、巨大技術によるリスクの必然的な高まりの中や自らも利害関係を有する専門家たちの集団が客観的なコントロールを受けずに事実上の規範設定機能を担いつつあるというように、法は科学技術の高度化と複雑化によって多様な挑戦を受けているが、これらの現象が法的諸概念や諸原則に対してもたらしつつある変容を明らかにするとともに、具体的な対処の横断的分析を試みた。 さらに、12月には、海外の研究者を招聘し、国際シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、経済、安全保障と刑事法、社会、情報、環境・人間それぞれの分野における問題を比較し、意見交換を行い、今後の「法システムの再構築」の足がかりとした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 江頭憲治郎: "ストック・オプションの費用計上と商津"落合誠一先生還暦記念・「商事法への提言」. (所収予定). 25 (2004)
-
[Publications] 増井良啓: "寄付金控除--1970年代初頭の米国の論争を中心とて--"日税研論集. 52号. 161-181 (2003)
-
[Publications] 中谷和弘: "カスピ海石油パイプライン協定"ジュリスト. 1245号. 147-150 (2003)
-
[Publications] 大村敦志: "家族関係の変容とジェンダー"ジュリスト. 1237号. 108-116 (2003)
-
[Publications] 神田秀樹: "会社形態・設立・計算・組織再編関係"商事法務. 1686号. 4-11 (2004)
-
[Publications] 江頭憲治郎: "貿易・海上運送とEDI"落合誠一=江頭憲治郎編集代表・海法大系. 371-395 (2003)