2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい研究ネットワークによる電子相関系の研究-物理学と化学の真の融合を目指して-
Project/Area Number |
13NP0201
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
茅 幸二 独立行政法人理化学研究所, 中央研究所, 所長 (10004425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀敏 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10004441)
小間 篤 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 所長 (00010950)
西 信之 分子科学研究所, 電子構造研究系, 教授 (60013538)
前川 禎道 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005973)
上田 寛 東京大学, 物性研究所, 教授 (20127054)
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Keywords | コラボラトリー / 強相関電子系 / 超構造 / ナノ分子クラスター / 分子デバイス / 遷移金属酸化物 / 分子性導体 |
Research Abstract |
最終年度である本年度は、5年間推進してきた各研究成果を発展的にまとめた。各班における成果を以下に記す。 第1班 ペロフスカイトマンガン酸化物で室温での1000%を超える巨大磁気抵抗の実現に成功するとともに、新超伝導体βパイロクロア酸化物の特異な結晶構造や超伝導特性を明らかにした。また、室温透明強磁性体CoドープTiO_2を開発し、電子ドープSrTiO_3においてAr^+イオンビーム照射による青色発光を発見し、さらに有機導体TMTTF塩における電荷秩序の起源を明らかにした。一方、新規圧力有機超伝導体において、超伝導相と電荷秩序相との競合を見出した。金属アセチリド化合物を用いて偏析金属パターンの生成や、単一種の分子(Ni(tmdt)_2)だけで出来た金属結晶の作成にも成功した。 第2班 高温超伝導、メモリー、ナノ分子クラスター、分子デバイス、生体金属触媒機能等を有する新規複合ナノ物質や微細加工技術を駆使した表面・界面ナノ構造物質の創製を進めた。同時に複合ナノ物質や表面・界面ナノ構造物質が持つ機能・物性の発現機構の解明を目指し、新3班と協力し、コラボシステムを駆使し、中性子、放射光、中間子の大型測定装置等を用いた迅速な複合精密構造解析を行い、その成果の物質創製へのフィードバックを行ってきた。 第3班 物構研の放射光、中性子、ミュオンを用い、第1班、2班からもたらされた様々な新規物質の電子相関、及び超(ナノ)構造についての研究が活発に行われた。放射光では半年の停止期間が入ったため成果は限られているが、有機伝導体中の電荷秩序と超伝導の共存についての知見等が得られた。中性子利用では超臨界水の研究、高密度グラフト表面の研究、マルチフェロイック物質の研究、ミュオン利用では電子ドープ系銅酸化物を含む新規な遷移金属酸化物超伝導体の研究で成果が上がった。また、金研、物性研の特殊装置を用いた共同研究も活発に行われた。
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Research Products
(258 results)