2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質動的高次構造検出法の開発及びそれを用いた蛋白質構造・機能相関の解明
Project/Area Number |
14001004
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
北川 禎三 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (40029955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 泰久 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 助教授 (60270469)
内田 毅 北海道大学, 理学研究科, 助手 (30343742)
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Keywords | 蛋白質ダイナミクス / 共鳴ラマン分光 / 蛋白質高次構造 / アミロイド / 顕微赤外分光 / 紫外共鳴ラマン分光 / 時間今解共鳴ラマン / センサー蛋白 |
Research Abstract |
本研究で用いた主たる方法論は時間分解共鳴ラマン分光法と顕微赤外分光法である。サブテーマとして掲げているのは、1)ピコ秒時間分解可視共鳴ラマン分光法による発色団の速い構造変化の検出、2)サブナノ秒時間分解紫外共鳴ラマン分光法による蛋白質高次構造変化の検出、3)レーザー温度ジャンプ法による蛋白質フォールディング/アンフォールディング、4)機能を軸とした新規分光法の開発、5)DNAフォトリアーゼによるDNA光修復過程の解明、6)蛋白質会合による高次構造変化とそのトリガーの顕微赤外分光法による検出である。2)、3)、5)、6)は岡崎で、1)、4)は神戸大学で実験しているが、1つの蛋白分子の動的構造と機能の相関を調べる場合には、ピコ秒領域の速い構造変化とナノ秒からミリ秒にかけて起こる遅い構造変化を合わせて考える必要があるので、1)と2)については同じ蛋白試料を岡崎と神戸の両方で測定する協力体制で研究を進めた。論文リスト中のヘモグロビンや可溶性グアニレートシクラーゼの一酸化炭素光解離過渡分子種の構造研究がそれに当る。4)では振動スペクトルのバンド形の時間変化を通じて蛋白質の構造揺らぎを検出する新しい視点に立つもので、ピコ秒の時間分解共鳴ラマンスペクトルを高いシグナル/ノイズ比で観測し、広幅化したバンドのどの部分が先に反応して消えていくかを見る"反応ホールバーニング"の手法を編み出し、ミオグロビンのFe-His伸縮振動に適用した。また6)では、β_2ミクログロブリンのアミロイド化をフーリエ変換赤外分光法で調べ、アミロイドフィブリルコアーの構造を議論した。特に#21-31ペプチドによるアミロイド化に関しては、^<13>C同位体ラベルアミノ酸でフィブリルを形成し、その残基がどの2次構造をとるかについて詳しい解析をした。研究は順調に進行している。
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Research Products
(43 results)