2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質動的高次構造検出法の開発及びそれを用いた蛋白質構造・機能相関の解明
Project/Area Number |
14001004
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Research Institution | Institute Molecular Science |
Principal Investigator |
北川 禎三 分子科学研究所, 名誉教授 (40029955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 泰久 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60270469)
内田 毅 北海道大学, 理学研究科, 助教 (30343742)
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Keywords | 蛋白質ダイナミクス / 共鳴ラマン分光 / 蛋白質高次構造 / アミロイド / 顕微赤外分光 / 紫外共鳴ラマン分光 / 時間分解共鳴ラマン / センサー蛋白 |
Research Abstract |
最近の遺伝子解析により、ヘムをもつ新タイプの蛋白質がいくつか見つかり、それらはガスセンサー蛋白と呼ばれている。生物は環境に適応するためにまず環境を検出し、其れに適応する行動を起こすことを常としている。酸素(O_2)、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)のような気相分子を必須因子としている生物では、そのような2原子分子を環境因子として検出すると、その蛋白内の別のところで行う酵素反応の速度を変えたり、DNAに結合して遺伝子転写活性を変えたりして、環境変化に適応している。ガスセンサー蛋白がどのようにしてターゲット分子を特異的に検出するのか、又検出した事をどのようにして機能実行部位に伝達するのかを解明するために共鳴ラマン分光法を中心的に用いた。共鳴ラマン分光法では、ラマン散乱励起光の波長を発色団の吸収波長に近づけることにより、その発色団の分子振動を選択的に高感度で検出する。ガスセンサー蛋白の場合、400〜500nmのレーザー光でラマン散乱を励起するとヘムの分子振動を、200〜240nmのレーザー光で励起すると芳香族アミノ酸残基の分子振動を選択的に観測できる。モデル分子として、まずミオグロビンのヘムにCOが結合した場合に、その事を蛋白部分に情報伝達する道筋やダイナミクスを明らかにした。次にCOセンサー蛋白であるCooAという分子の、CO結合やDNA結合による蛋白の構造変化を紫外共鳴ラマン分光法で明かにした。大腸菌にあってO_2センサー機能を持ちO_2を検出するとC末端で燐酸ジエステル化活性を示すDOS蛋白のO_2検出、情報伝達メカニズムを部位特異的にアミノ酸置換した蛋白を用いて明らかにした。この他,DNA光修復酵素の反応機構を可視共鳴ラマンで。また、β_2ミクログロブリンのアミロイド化をフーリエ変換顕微赤外分光法で調べた。特にβ_2ミクログロブリンの#21-31ペプチドによるアミロイド化に関しては、^<13>C同位体ラベルペプチドでフィブリルを形成し、その残基がどの2次構造をとるかを詳しく解析した。
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Research Products
(30 results)