2006 Fiscal Year Annual Research Report
ルイス酸・遷移金属触媒を用いる環境調和型分子変換プロセスの開拓
Project/Area Number |
14002001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 嘉則 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (60029519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅尾 直樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60241519)
中村 達 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00333899)
金 鉄男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80431493)
門田 功 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30250666)
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Keywords | ルイス酸触媒 / 芳香環化 / 遷移金属触媒 / メチレンアジリジン / 分子内反応 / 不斉合成 / ヘテロ環 / ポリ環状エーテル |
Research Abstract |
ルイス酸触媒反応の開発 金触媒の存在下でオルトアルキニルベンズアルデヒド誘導体とケトンやアルデヒドなどのカルボニル化合物が芳香環化し、種々の芳香族ケトン類を与えることを見いだした。一方、銅触媒を用いると脱カルボニル化が進行し、対応するナフタレン類が得られることがわかった。この反応により様々なインドール、ベンゾフラン誘導体の合成を行った。また、塩化金触媒によるアルキニルケトンの環化反応を見いだした。炭素-水素結合の活性化 1,3-ジケトン類がパラジウム触媒の存在下でメチレンアジリジンと付加環化反応を起こし、種々の四置換ピロール誘導体を与えることを見いだした。また、常圧80度という条件下で、イミン類がアルコキシメチレンシクロプロパン誘導体と2+2環化付加反応を起こし、アルコキシアゼチジン誘導体を高収率で与えることを見いだした。同様の反応を銀触媒存在下で行うとより低温で反応が進行することもわかった。オルトアルキニルベンズアルデヒド誘導体と一級アミン、およびクロロホルムが無触媒で縮合し、ジヒドロイソキノリンを収率良く与えることを見いだした。 遷移金属触媒反応の開発 パラジウム触媒存在による、アルキン類とアミド化合物の分子内反応を用いて、ラクタム類を高収率で得ることに成功した。また、アミンやアルコール、および活性メチン化合物の分子内反応において、光学活性なホスフィン配位子を用いることで種々のヘテロ環化合物の不斉合成を行った。この反応を応用し、インドリジチンアルカロイド209Dの立体選択的合成に成功した。 ポリ環状エーテル系海産天然物の合成 コンバージェントな合成手法を用いて、下痢性貝毒であるイェッソトキシンのIJK環部の合成に成功した。また、同様の手法により、赤潮原因毒であるブレベトキシンBのA-G環部の高効率合成およびヘミブレベトキシンBの形式全合成にも成功した。
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