2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14002004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 隆人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10312993)
常田 貴夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20312994)
中野 晴之 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90251363)
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Keywords | 分子理論 / ab initio分子軌道法 / 多参照摂動論 / 相対論的分子理論効果 / 密度汎関数法 / UTChem |
Research Abstract |
本研究の目的は「次世代分子理論」を開発するとともにわが国で初めての本格的な分子理論計算のプログラム・パッケージ「UTChem」を開発し、リアル系のシミュレーションとダイナミクスに応用することにある。新しい分子理論の開発やアルゴリズム、ソフトウェアの開発をもとに数百から千原子系を扱える分子理論の構築とその実用化をめざしている。 これまで大規模分子にも適用できるab initio分子軌道理論を更に発展させてきた。RI-DFT法、局在化軌道を利用した電子相関法LMP2法、Pseudospectral法、RILL MP2法の開発などである。また平面波を利用した2電子反発積分の効率化にも成功している。大規模計算を目指した相対論的分子理論の開発では、相対論的近似理論のひとつであるDouglas-Kroll法を一般化し、多電子系を効率的にかつ高精度に取り扱える理論を開発した。またpseudospectral法を相対論的分子理論に適用することにより、従来の計算法に比べ高速な計算が可能となる理論を開発した。DFT法の開発では分子の電子励起を取り扱うために時間依存密度汎関数法(TDDFT)を開発した。長距離補正を施したLC法を開発し、これまで扱えなかったRydberg励起や電荷移動励起の記述に成功した。またこれまでDFT法ではまったく扱うことができなかったvan der Waals力などの弱い相互作用の記述にも成功した。これはLC近似とvan der Waals potentialを組み合わせたもので、驚くほど高精度である。この理論の開発によってDFT法の大規模分子系への適用が可能になったといえる。これらの成果は分子計算プログラム・パッケージUTChemに実装した。UTChemはマニュアルの作成、入力インターフェイス/データの可視化プログラムを作成し、web上で公開している。
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Research Products
(22 results)