2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14011247
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 東邦大学, 理学部, 助教授 (90231571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 直子 東邦大学, 理学部, 助教授 (80230978)
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Keywords | ケージド化合物 / RNA干渉 / 核酸 / 遺伝子 / 光化学的スイッチ |
Research Abstract |
遺伝子の機能を網羅的に解析するための新手法として、任意の遺伝子の機能を時期および部位特異的に阻害する方法の開発を目指した。網羅的解析における遺伝子の機能阻害法としては、2本鎖RNAを用いるRNAi法と、修飾オリゴヌクレオチドによるアンチセンスオリゴヌクレオチド法が有望である。これらとケージド化合物の化学を組み合わせることで、特定の時期に特定の細胞(組織)で任意の遺伝子の機能を阻害(または破壊)する手法を開発することが可能と考えられる。今年度の主な成果は以下の通りである。 1)ケージドsiRNAの合成 動物細胞においては、21塩基のsiRNAを導入することでRNAiが観測される。導入されたsiRNAは細胞内で1本鎖に解離してからターゲットに結合すると考えられる。そこで、dsRNAの1本鎖への解離を光制御するために、Bhc基を光解離基として持つ光応答性dsRNA架橋試薬を設計・合成した。この試薬をsiRNAと混合したものをHeLa細胞に導入したところ、GFPに対するRNAi効果が顕著に弱まっていることを観測した。この結果は、合成した光応答性架橋試薬と反応したsiRNAは、RNAi誘導能を失っていること、すなわちケージド化合物になっていることを示唆している。現在、光照射によるRNAi誘導能の回復、リンカー構造の最適化を検討している。 2)核酸塩基へのBhc基の導入法の確立 様々なアンチセンスオリゴをケージド化合物へと変換するには、核酸塩基部位に光分解性保護基であるBhc基を導入しなければならない。高効率でBhc基を導入できる前駆体であるBhc-クロロホルメートを合成することに成功した。これを用いて合成したケージドアデニンは、従来のものに比べてより優れた光分解効率を示すことも明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hirayama, Y., Iwamura, M., Furuta, T.: "Design, synthesis and photochemical properties of caged bile acids"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 13. 905-908 (2003)
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[Publications] Mizuta, H., et al.: "Design, synthesis, photochemical properties and cytotoxic activities of water-soluble caged leucyl-leucine methyl esters that control apoptosis of immune cells"Bioorg.Med.Chem.. 10. 675-683 (2002)