2002 Fiscal Year Annual Research Report
過剰のメモリーT細胞を持ち膵島炎を発症する突然変異マウスからの責任遺伝子単離
Project/Area Number |
14013001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 正晃 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00250514)
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Keywords | メモリーT細胞 / 膵島炎 / 突然変異マウス / 責任遺伝子 |
Research Abstract |
1)申請者はデンバーのマラック教授の教室に留学中に正常C57BL10コロニーから末梢血中に過剰のメモリー表現型T細胞を持ち、肝臓および膵島にリンパ球浸潤が認められる突然変異マウスBL10#4を見つけることができた。その後の研究から、この形質は常染色体劣勢遺伝し、1遺伝子で規定されること、T細胞およびB細胞分化の両方に異常が認められ、それぞれプレTおよびプレB細胞受容体信号が必要な時期(プレT細胞から未熟T細胞及びプレB細胞から未熟B細胞)で重度な分化障害が有ること、巨核球数が増加して血小板が正常個体の10倍以上にまで増加していること、中程度の貧血が認められ、抗赤血球抗体の検出できる個体が有ること、骨髄移植の実験から変異表現型は環境因子では無く、骨髄細胞自体に由来することが判明した。ヒトの1型糖尿病を含めた自己免疫疾患は多因子疾患であるが、それらの発症に関連する遺伝的要因の一つに、このマウスの責任遺伝子が成りうる可能性がある(日本免疫学会、東京、2002年、発表)。 2)申請者は特定領域研究、ゲノム医科学に、本研究課題にて本年度から参加させていただきました。本年度、本予算を用いてBL10#4とNZBマウスをかけ合わせて、100匹以上の形質陽性および陰性F2マウスを得ることができた。それらのF2マウスの肝臓からDNAを抽出し、BL10とNZBで長さの異なるMITマーカーを用いてSSLP法にてBL10#4の形質の責任遺伝子の存在を解析した。幸運なことに責任遺伝子の存在する1cM程度の領域を2番染色体に同定することができた。セレラ社のデータベースで解析してみるとその領域には約45個の遺伝子が存在していることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Bradley J.Swanson, Masaaki Murakami, Thomas C.Mitchell1, John Kappler, Philippa Marrack: "RANTES production by memory phenotype T cells is controlled by a posttranscriptional, TCR dependent process"Immunity. 17・5. 605-615 (2002)
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[Publications] Masaaki Murakmi, Akemi Sakamoto, Jeremy Bender, John Kappler, Phillipa Marrack: "CD25+CD4+T cells contribute to the control of memory CD8+ T cells"Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.. 99. 8832-8837 (2002)