2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコンピュータによるSNPおよび遺伝子発現解析法の開発
Project/Area Number |
14013009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
陶山 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90163063)
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Keywords | DNAコンピュータ / ゲノム / 遺伝子 / マイクロアレイ / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究の目的は、DNAコンピューティング技術を用いて、マルチプレックスのSNPタイピングおよび遺伝子の発現解析を行う方法の基盤を確立することである。今年度は、これまでの研究成果を踏まえて、遺伝子発現解析法の定量性を飛躍的に向上させる方法の開発、マルチプレックスのSNPタイピングの実験、演算性を利用した遺伝子発現・SNPパターン判定法の開発を行った。DNAコンピューティング技術に基づく遺伝子発現解析法は、cDNAの分布をDNAコード化数(DCN)の塩基配列を持つDCN核酸分子の分布にエンコードするステップと、DCN核酸を増幅・デコードし、各DCNの値を持つDCN核酸を検出・定量するステップに分けられる。後者のステップが十分な定量性を持つことはすでに実証したが、前者のステップについては、解析する遺伝子の数が多い場合、すべての遺伝子に対して十分に定量的な結果を得ることが困難であった。そこで、エンコードの際のライゲーション反応の特性を実験により詳しく調べ、その結果に基づいてエンコードのステップの定量性を向上させる簡便かつ汎用的な方法を考案した。酵母およびヒト培養細胞から調製したcDNAを用いた実験の結果、定量的PCRと同程度の精度を持つ絶対定量を多数の遺伝子について同時かつ短時間に、しかもqPCRより簡便な操作で行えることがわかった。また、SNPタイピングに関しては、アレルギー疾患関連の100箇所のSNP部位からランダムに選択した10箇所のSNP部位をタイピングする実験を実施し、マルチプレックス・タイピングを十分な正確度で行えることを示した。さらに、DCN核酸分子を用いたDNAコンピューティングにより遺伝子発現・SNPのパターン判定を行う方法の研究を押し進め、複数の合成DNAの混合液を用いた実験の結果、パターンの判定ができることを示すことに成功した。
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Research Products
(7 results)