2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14013010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 真一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00313099)
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Keywords | 遺伝子発現 / SAGE / 血液細胞 / 免疫 / 転写開始点 / ゲノム / プロモータ |
Research Abstract |
私は、生体防御機構(免疫)、特に炎症、免疫疾患をターゲットにした遺伝的要因の同定と分子レベルでの解明の為、生体防御機構に中心的な役割を担う血液細胞(特に樹状細胞)に焦点を絞りSerial analysis of gene expression (SAGE)を用い包括的な遺伝子発現解析を行うことを目的とする。 現在まで私は、単球からの樹状細胞の分化に伴う遺伝子発現をSAGE法により検討し、さらにT細胞、B細胞など他の血液細胞の発現遺伝子のデータベースを構築した。これらで得られる情報によりクローニングされる樹状細胞特異的新規遺伝子は、癌ワクチンへの応用が期待される樹状細胞の機能を明らかにすると共に、免疫学の進歩に多大な貢献をすると期待される。今後、これらのデータベースをもとにして炎症、免疫疾患の遺伝的要因の同定と分子レベルでの解明を行う。 一方mRNA開始部位の同定は、遺伝子の完全長cDNAシークエンスの完成および遺伝子発現を調節するプロモータ領域の解析に不可欠である。そこで私は、転写開始部位および個々のmRNAの発現頻度を包括的に同定するための方法、5'SAGE法を開発した。HEK293ヒト細胞ライブラリーの5'SAGEタグ25,684個のうち、19,893個がヒトゲノムに一致し、RefSeq、UniGene、およびDBTSSデータベースを用いて評価したところ、このゲノムに一ケ所マッチした15,448個のタグの中で、5'SAGEタグの85.8〜96.1%がmRNA開始部位の-500〜+200bp内にマッチした。このことからほとんどのダグが転写開始点を示していることが示唆された。この技術を用いた方法により様々な生物の細胞および組織の詳細なトランスクリプトーム解析が促進されると予想される。
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Research Products
(2 results)