2002 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患の病態解明および治療薬開発に向けての機能ゲノム解析
Project/Area Number |
14013049
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 淳 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30326037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油谷 浩幸 東京大学, 先端科学技術センター, 教授 (10202657)
松橋 信行 東京大学, 医学部, 助手 (10221590)
森 保道 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70336535)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / ゲノム / マイクロアレイ |
Research Abstract |
(目的)近年急速に進歩した機能ゲノム解析の方法を用いてヒト炎症性腸疾患の原因遺伝子を探索し、また異常をきたしている代謝経路を解明することにより創薬の標的となる分子を同定することを目的とする。具体的には、1)最近炎症性腸疾患に対する有効性が示唆されているPPARγリガンドの作用機序を解明するために実験マウス腸炎モデルにおいて網羅的遺伝子発現解析を行う。2)ヒト炎症性腸疾患の病変組織、特にクローン病の初期病変における遺伝子の発現プロファイリングをDNAチップ技術を用いて解析する。(結果)実験マウス腸炎モデルにおいて網羅的遺伝子発現解析を行ないリストアップした遺伝子のValidationをした。侯補遺伝子の遺伝子導入による補充療法やアンチセンスオリゴの導入による発現抑制療法を試み、侯補遺伝子が新規治療薬の標的になりえるかの実証実験の検討した。DSS腸炎マウスを用いてPPARγリガンドが有効であること、PPARγ欠損マウスではワイルドタイプに加え炎症が激しくなることから、内因性のPPARγを介した代謝経路が炎症性腸疾患の発症阻止の働きをしていることを見出した。また、DSS腸炎をPPARγリガンドによって治療したときに変化する遺伝子発現をDNAアレイ(Gene Chip)を用いて遺伝子発現の変化をプロファイリングし、疾病の発症および薬の効果発現に重要な遺伝子を解析し、CD66を発見しその免疫応答における役割を解明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Osawa E, Nakajima A et al.: "PPARγ Suppress Colon Carcinogenesis Induced by AOM in Mice"GASTROENTEROLOGY. 124. 361-367 (2003)
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[Publications] Nakajima A et al.: "Gene expression profile after PPARγ ligand administration in DSS mice"Journal of Gastroenterology. 37. 62-66 (2002)
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[Publications] Saubermann LJ, Nakajima A et al.: "RPARγ ligand agonist stimulate Th2 cytokine"Inflammatory Bowel Disease. 8. 330-339 (2002)