2002 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノムをカバーするBACDNAマイクロアレイを用いた疾患関連遺伝子の探索と解析
Project/Area Number |
14013057
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村山 裕治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40327656)
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Keywords | マイクロアレイ / チップ / がん / CGH / LOH / ゲノム / 遺伝子 / 分子生物学 |
Research Abstract |
全ゲノムをカバーするBAC-DNAマイクロアレイを作製するため、慶應BACクローンの収集を行った。まず患者の多くにおいて数十〜数百kbにわたる欠失変異が見出される若年性パーキンソン病の原因遺伝子Parkin(ゲノムサイズ1.4Mb)をカバーする51個のBACクローンを単離しスポットしたマイクロアレイを作製した。また癌関連遺伝子の増幅や欠失を検出するため、206種類の癌関連遺伝子/領域をカバーする506個のBACクローンを単離しマイクロアレイを作製した。さらにダウン症の診断のため21番染色体をカバーするBACクローン、猫目症候群や22q11.2欠失症候群の診断のため22番染色体をカバーするBACクローンの単離をほぼ完了した。またSTS/ESTスクリーニングによって4千個の8番染色体特異的クローンを得たので、末端シーケンスを解読してドラフトシークエンス上へ配列している。さらに4万個のBACクローンの末端シーケンスを解読、ヒトドラフト/完成シークエンスに照合して全ゲノムを網羅的にカバーするBACクローンの整列化を進めている。 癌関連遺伝子のマイクロアレイについては、EGF受容体遺伝子の増幅などいくつかの癌遺伝子の増幅を培養細胞や臨床検体で確認することができた。これらの増幅はFISH法などの結果と一致した。LOHやParkin遺伝子の欠失、22番染色体の欠失などのヘミ接合領域の検出については現在検討中である。 シグナル検出上の課題として感度やダイナミックレンジを改善することが求められた。そこでニトロセルロース膜固定化スライドガラス上にBAC-DNAを固定したところ、高いS/N比で検出する手法を確立することができ、さらに、金属粒子を用いた標識法を導入することにより、蛍光色素を使う方法と比べ高感度の検出を可能にした。その結果一桁低いプローブ濃度でも同等のS/N比のシグナルを可能にした。
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