2002 Fiscal Year Annual Research Report
第16番染色体に連鎖する常染色体優性遺伝性脊髄小脳変性症の原因と病態の解明
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14017033
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 欽也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (30313240)
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / ヒトゲノム / 神経科学 / 神経難病 / 小脳 |
Research Abstract |
本年度は本疾患の原因遺伝子の同定のためにpositional cloningを進めた。具体的には、昨年度候補遺伝子の存在する領域を約4メガベース(Mb)と決定した(Li M., Ishikawa K., Toru S., et al., J Hum Genet. 2003, in press)が、本年度はまずその範囲内の31個の多型性DNAマーカーについて患者数を全国から集積して40家系に増やし、発症者に共通するハプロタイプを解析した。その結果、発症者全員に共通するハプロタイプは約1Mb以下に限定される領域に絞られ、候補領域をより狭い範囲に限定することができた。またこの領域内において、発症者全員に共通するが健常日本人(50人)には全く認められない極めて連鎖不平衡の高いマーカーを数種類同定した。 次にこの限定された領域内に存在する繰り返し配列を第1の候補遺伝子として、その異常伸長の有無を検索した。この範囲内にある繰り返し配列は3塩基以上6塩基以下のもので30個存在し、それらについて逐次PCRを用いて健常者と発症者各3名ずつのゲノムDNAを増幅し、電気泳動により繰り返し配列の異常伸長の有無を解析した。しかし、これらの中には多型性すら有さないものがほとんどで、異常伸長は認められなかった。したがって、本疾患の原因となる遺伝子変異は類縁疾患に共通する繰り返し配列の異常伸長ではない可能性が高いと結論した。次にこの候補領域内に存在する遺伝子を同定し、その遺伝子内の静的遺伝子変異の有無を検索した。コンピュータにより各遺伝子のエクソン・イントロンを同定し、各エクソンについてPCRでゲノムDNAを増幅し、シークエンサーを用いて塩基配列を決定、健常者と発症者での塩基配列の違いを検索した。現在まで多数の遺伝子を解析している。 これまで検索した範囲内には原因遺伝子は同定されていないが、同様の検索を行い、また異なった遺伝子変異パターンを視野に入れた変異スクリーニングを行うことで、原因遺伝子の同定を行いたい。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Li M., Ishikawa K., Toru S., et al.: "Physical map and haplotype analysis of 16q-linked autosomal dominant cerebellar Ataxia (ADCA) type III in Japan"Journal of Human Genetics. (in press). (2003)