2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14017096
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
川口 泰雄 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (40169694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 芳之 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (90192567)
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Keywords | 前頭皮質 / コラム構造 / GABA / 介在ニューロン / 軸索 / カルシウム結合蛋白質 |
Research Abstract |
ラット前頭皮質で、脱分極に対する発火様式とカルシウム結合蛋白質・ペプチドの発現パターンにしたがって細胞の形態を観察すると、ある特定の発火様式と物質発現をしているGABA細胞は特徴的な形態をとり、それらは基本的なグループであると考えられる。シナプス結合様式、アセチルコリンなどの脳幹からのモジュレーターに対する反応、皮質周期活動時の応答などもタイプごとに異なる。本研究では、形態学的特徴を定量化して、それらに基づいてできるクラスターが、生理的・化学的性質から分けたグループとどのような関係になるかをみることで、上記の分類の妥当性を検討してみた。細胞内染色した非錐体細胞の形態を三次元再構築し、軸索分枝パターンとブトン空間分布に関する16個の形態的パラメーターを測定し、主成分分析で解析した。第一・第二主成分平面に、各細胞をプロットしたところ、生理・化学的分類と相関する幾つかの小集団が作られた。同じパラメーターでクラスター解析によって樹型図を作成したところ、II/III層の細胞では5個の、V層の細胞では4個のクラスターが形成されており、それぞれのクラスターはやはり生理・化学的分類と対応していた。クラスターの形成に重要な形態的パラメーターは、どちらの層の細胞でも層毎のブトンの分布や自身の細胞体を中心としたブトンの空間分布、軸索の分枝頻度であった。軸索上のブトン間隔はポアソン分布し、タイプごとに系統的な差は見られなかった。すなわち、ブトンの空間的な分布の違いは軸索の空間分布によって決定されていると考えられる。これらから、サブタイプの形態的な違いは、軸索分枝頻度とその拡がりの空間的な制限、軸索伸長方向の指向性によって決められていると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kawaguchi Y., Kondo S.: "Parvalbumin, somatostatin and cholecystokinin as chemical markers for specific GABAergic interneuron types in the rat frontal cortex"J.Neurocytol.. (in press). (2003)