2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14017104
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
貫名 信行 理化学研究所, 病因遺伝子研究グループ, グループディレクター (10134595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 元雅 理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 研究員 (40321781)
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Keywords | ポリグルタミン / アミロイド / ミオグロビン / X線小角散乱 |
Research Abstract |
神経変性疾患の原因の一つに蛋白質のミスフォールディング、凝集体形成の関与が示唆されている。われわれはポリグルタミン鎖を安定性の極めて高い蛋白質の一つであるマッコウクジラミオグロビンへ挿入し、ポリグルタミン鎖の構造およびポリグルタミン挿入に伴うホスト蛋白質の構造変化を検討した。その結果変異型ミオグロビンに挿入された伸長したポリグルタミン鎖は分子内ベータシート構造をとっていることが判明した。また、35、50のリピート数をもつミオグロビンは凝集体を形成し始めると分子間ベータシート構造を含んでいることが明らかになった。アミロイドベータタンパクなどではprotofibrilと呼ばれる中間体の方が毒性は強いといわれており、ポリグルタミンにおいても同様のものが存在するか、理研播磨研究所のSpring8を用いてX線回折とX線小角散乱法による解析を行った。Q50をX線小角散乱法で解析する過程で線維形成前に特異な重合体の形成を検出し、電子顕微鏡像ではこの重合体は線維を形成していないことを認めた。非線維形成凝集体はその表面にポリグルタミンが露出していることが1C2抗体の染色性から示唆され、一方このエピトープは線維形成に伴い隠される。このような現象は非繊維型凝集体が独自の毒性の構造上の基盤を持つことを示唆する。このような構造体の存在から我々はポリグルタミン凝集体の細胞内機能分子のrecruitingには二つのメカニズムが存在すると考える。すなわちベータシートを形成した表面に露出したポリグルタミン鎖に結合する形でのポリグルタミン病共通のrecruitingおよびホスト蛋白に結合する蛋白のrecruitingである。同疾患の治療戦略はこの両方の凝集体形成阻止が必要と考える。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Lee.J-A.et al.: "Aggregate formation and the impairment of long-term synaptic facilitation by ectopic expression of mutant huntingtin in Aplysia neurons"J. Neurochem.. (in press).
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[Publications] Tanaka, M.et al.: "The effects of aggregation-inducing motifs on amyloid formation of model proteins related to neurodegenerative diseases"Biochemistry. 41. 10277-10286 (2002)
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[Publications] Mitusi, K.et al.: "Purification of polyglutamine aggregates and identification of elongation factor-1α and heat shock protein 84 as aggregate-interacting proteins"J. Neurosci.. 22. 9267-9277 (2002)
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[Publications] 岩田淳, 丸山美枝子, 貫名信行: "α-シヌクレインによる神経細胞死…(1)"臨床神経科学. 21. 6-7 (2003)
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[Publications] 貫名信行, 田中元雅: "ポリグルタミン含有蛋白の構造変化-マックス・ペルツ最後の挑戦-"神経研究の進歩. 46. 661-668 (2002)