2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14017109
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
鈴木 俊顕 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (90252171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 智樹 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00311423)
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Keywords | パーキンソン病 / ユビキチンリガーゼ / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
近年、蛋白質の品質管理と神経変性疾患との関係が話題になっている。そこで私たちは、蛋白質の品質管理に関わるユビキチンシステムについての基礎研究を行った。これまで、我々は細胞質での異常蛋白質の分解に分子シャペロンを利用したCHIPが関与していることを明らかにしているが、本年度は、小胞体でつくられた異常蛋白質を取り除く機構の一端を明らかにすることができた。この分解に関与する因子(Fbx2)が脳特異的な発現を示すことから、この蛋白質管理機構が将来的に神経変性疾息との関連を持ってくる可能性も大きく残されている。 我々は近年、Parkinと呼ばれる常染色体劣性遺伝性パーキンソニズム(AR-JP)の原因遺伝子産物の研究を行っている。本研究において、千葉は3年前よParkinの遺伝子破壊マウスの作製を行っている。ヒトに近いモデル生物での今後の研究は、疾患解析を行う比較的最終段階において有効な手段となると期待される。 鈴木は、Parkin結合蛋白質を検索する目的で、酵母Two-hybrid法、培養細胞でのタグ付きparkin発現株の樹立とそこからのaffinity精製、pull-down法を行い、幾つかの候補蛋白質を得た。現在はこれらに焦点を絞って解析を継続しており、何らかの形で発表できると考えている。 マウスとの比較研究をする目的で、線虫におけるparkin遺伝子破壊株を解析している。現在、東京女子医大生理学第2教室三谷昌平助教授、および安藤恵子助手のご厚意により、2アリル取得できているが、いずれも生存には必須でなかった。parkinプロモーターの解析から、parkinは一部の神経細胞に弱く発現していることが示唆されているが、この結果からparkinの機能を予測するには至っていない。今後は生化学的手法と、遺伝学的手法を組み合わせて解析を継続していきたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshida Y.: "E3 ubiquitin ligase that recognizes sugar chains"Nature. 418. 438-422 (2002)
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[Publications] Kadoya T.: "Desumoylation activity of Axam, a novel Axin-binding protein, is involved in downregulation of beta-catenin"Mol.Cell Biol. 22. 3803-3819 (2002)
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[Publications] Ogawara Y.: "Akt enhances Mdm2-mediated ubiquitination and degradation of p53"J.Biol.Chem. 277. 21843-24850 (2002)
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[Publications] 北見聡章: "ユビキチンリガーゼParkinと黒質神経細胞死"細胞. 34・8. 34-37 (2002)
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[Publications] 鈴木俊顕: "ユビキチンリガーゼParkinの基質探索研究"Annual Review 神経2002. 1-6 (2002)
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[Publications] Mizuno Y.: "Parkin mutations (Park2)"Genetics of Movement Disorders. 305-314 (2002)