2002 Fiscal Year Annual Research Report
非拘束・環境重畳型ヒューマンインタフェースの開発と応用
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14019057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日浦 慎作 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (40314405)
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Keywords | CSCW / 遠隔共同作業 / プロジェクション方式MR |
Research Abstract |
我々は昨年度までに,遠隔地へ効率的かつ円滑に作業指示するためのシステムを開発した.このシステムでは現場の対象物体へ指示を表示するために複数のプロジェクタを用いており,対象物体と投影画像を幾何学的に一致させる手法が必要である.昨年度までの方法では,対象物体の形状をカメラとプロジェクタを用いて計測していたが,そのためにはプロジェクタとカメラの位置関係を精密にキャリブレーションしておく必要があった.この作業は一度行っておけばその後は不要なものであるが,カメラやプロジェクタをパン・チルト・ズームしたり移設した場合には再度キャリブレーションする必要があった.そこで今年度の研究として,キャリブレーションが不要でありながら対象物体へ指示映像を正確に一致させる2つの手法を開発した.1つは画素対応方式と呼ぶ方式で,プロジェクタからは縦・横双方のグレイコードパターン光を投影し,これをカメラにより撮影する.この処理により,カメラの画素とプロジェクタの画素の対応関係が全ての画素について得られ,これを直接用いるという方法である.もう1つはこのデータからエピポーラ方程式を導出する方法で,2度目からは縦か横の一方のパターン光だけで良いという特徴を持つ. 次に,これらの技術的基盤を元により使いやすく快適な意図伝達システムを開発するために,実際にユーザはどのように意図を伝達しているのかについて実験を行った.作業課題として立体物の組立作業を遠隔地から指示するという協調作業を設定し,ユーザがどのような概念(回転や平行移動など)について意図を伝達しようとしているのかについて観察に基づく解析を行った.またこれらの概念それぞれについて,どのような手段を用いて指示を行うのかについても観察し,またそれらの円滑度を調べた.これらの実験から,特に物体の回転について,遠隔地へ意図を伝達することが難しいことがわかった.そこで次に,物体の回転について,遠隔地への描画に比べより直感的に指示を入力・表示できる手法を新たに導入し,評価を行った.ここではジャイロセンサを用いて手の動きを計測し,その動きを作業現場ではCGの立方体の回転として見せることでより円滑に回転の量や軸方向を伝達することが出来ることを確認した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 東城賢司, 日浦慎作, 井口征士: "プロジェクタを用いた3次元遠隔指示インタフェースの構築"日本バーチャルリアリティ学会論文誌. Vo17, No.2. 169-176 (2002)
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[Publications] 原田久美, 木村朝子, 日浦慎作, 井口征士: "遠隔地への立体的概念伝達方法の提案と解析"ヒューマンインタフェース学会研究報告集. Vo14, No.5. 91-96 (2002)