2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳反応計測に基づく相互作用理解とアンドロイドの開発
Project/Area Number |
14019066
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石黒 浩 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10232282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
港 隆史 大阪大学, 工学研究科, 助手
宮下 敬宏 ATR知能ロボティクス研究所, 客員研究員
開 一夫 東京大学, 大学院・総合文化研究所, 助教授 (30323455)
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Keywords | 知能ロボティクス / 認知科学 / 脳・神経 / 人工知能 / 制御工学 |
Research Abstract |
本年度では、(1)アンドロイドロボットの試作,(2)ロボットとの相互作用時における脳反応計測,(3)ロボットとの相互作用における幼児の反応の3つについて研究を行った. 本研究の目的は,人間型のロボットと関わる人間がロボットをどのように認識するかについて,客観的評価を得るために,光トポグラフィによって直接脳の反応を計測するというものである.この研究においては,ロボットの動作と見かけ(どれほど人間に似ているか)の双方からの影響を考慮しなければならない.この動作と見かけの問題を検証するために,人間と酷似したロボット,アンドロイドを制作した.実際の人間から型をとり,シリコンで皮膚を作成し,アクチュエータを埋め込んだ.本格的な評価実験は今後の課題である. 一方,前年度に引き続き,ロボットと相互作用する人間の運動野付近を光トポグラフィによって計測し,その解析を行った.統計的に明確な傾向をつかむには至らなかったが,光トポグラフィによる計測の可能性を示唆する幾つかのデータを得ることができた. 光トポグラフィを用いた実験における課題の一つは,被験者に与えるタスクである.このタスクについて考察を深めるため,幼児を用いた認識実験も同時に行った.幼児の視線の動きから幼児がロボットを対話の相手と見なすかどうかという実験であるが,幼児の認識はロボットの動きに深く関わることがわかった.今後,この結果を参考に,再度光トポグラフィの実験に取り組む予定である.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小松孝徳, 開一夫, 岡夏樹: "人間とロボットとの円滑なコミュニケーションを目指して"人工知能学会誌. 第17巻, 第6号. 679-686 (2002)
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[Publications] Imai, M., Hiraki, K., Miyasato, T., Nakatsu, R., Anzai, Y: "Interaction with Robots : Physical Constraints on the Interpretation of Demonstrative Pronouns"International Journal of Human Computer Interaction.
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[Publications] 鈴木健太郎, 植田一博, 開一夫: "自律的な行動学習を利用した評価教示の計算論的意味学習モデル"認知科学. Vol.9 No.2. 200-212 (2002)
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[Publications] 有田亜希子, 開一夫, 神田宗行, 石黒浩: "ロボットは話し相手になれる?:インタラクティブなロボットに対する乳児の認識"エンタテイメントコンピューティング 2003.IPSJ Symposium Series. Vol.2003 No.1. 65-69 (2003)
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[Publications] 有田亜希子, 開一夫, 神田宗行, 石黒浩: "ロボットは話し相手になれる?:インタラクティブなロボットに対する乳児の認識"情報処理学会関西支部大会講演論文集. 95-96 (2002)
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[Publications] 松田剛, 開一夫, 有田亜希子, 嶋田総太郎, 亀割一徳, 神田崇行, 石黒浩: "人間とヒューマノイドロボットの行動観察における脳活動計測"情報処理学会 関西支部大会 講演論文集. S146. 87-88 (2002)
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[Publications] 神田崇行, 石黒浩, 今井倫太, 小野哲雄: "人間とコミュニケーションできるロボットを目指して-身体動作の数値解析アプローチ-"SICE システムインテグレーション部門講演会. (2002)