2004 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシン認識機構におけるMDタンパクの役割についての研究
Project/Area Number |
14021012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 健介 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60229812)
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Keywords | 自然免疫 / Toll like receptor / Lipopolysaccharide / MD-2 |
Research Abstract |
自然免疫機構において、病原体認識のメカニズムは明らかではない。Toll-like receptors (TLRs)が病原体を認識してシグナルを伝達するが、その認識機構は分子レベルでの理解には至っていない。本研究ではグラム陰性菌の膜糖脂質であるエンドトキシン(LPS, Lipopolysaccharide)の認識に焦点を絞り、その認識機構の分子レベルでの解明を目的とする。我々はTLR4の細胞外ドメインに会合する分子MD-2を発見し、この分子がLPS認識に必須であることを明らかにし、さらにLPSとTLR4/MD-2との結合を昨年までに示してきた。 本年度はLPS結合後のTLR4/MD-2によるLPS認識を、明らかにするために、リガンド結合後のTLR4のOligomerizationを調べた。さらに、拮抗剤として作用するlipid IVaはlipidAとTLR4/MD-2との結合は変わらないが、その後TLR4がOligomerizationしないことも示した。したがって、TLR4によるlipidAと1ipid IVaの識別はTLR4/MD-2との結合ではなく、その後のTLR4-oligomerizationで決定されることが明らかになった。またその識別にMD-2が重要であることも示した。サイトカインレセプターのような単一のリガンドと異なり、TLR4/MD-2のリガンドは、構造が病原体によって微妙に異なる。その違いをTLR4/MD-2は識別し、ある種の細菌のLPSはlipid IVaのように拮抗作用を持つことが報告されている。したがって、そのような細菌間でのLPSの細かい識別はTLR4-oligomerizationでなされており、MD-2が制御していることが予想される。
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Research Products
(7 results)