2005 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシン認識機構におけるMDタンパクの役割についての研究
Project/Area Number |
14021012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 健介 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60229812)
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Keywords | 自然免疫 / Toll-like receptor / Lipopolysaccharide / MD-2 |
Research Abstract |
自然免疫における病原体認識はToll-like・Receptor(TLR)ファミリーを中心とする病原体認識分子群による。グラム陰性菌のリポ多糖(LPS)はTLR4によって認識されるが、申請者らがクローニングしたTLR4に会合するMD-2もLPS認識に必須である。本研究では、MD-2の機能解析を通して、エンドトキシン認識機構の解明をめざしてきた。本年度の成果としては、MD-2のアミノ酸をアラニンに置換したミュータントを作成し、そのLPS応答性、LPSとの結合、LPS刺激依存性に誘導されるTLR4同士のクラスタリングに対する影響を調べた(業績6)。その結果、59番目のグリシンがLPSとの結合に、126番目のフェニルアラニン、129番目のグリシンが、LPS結合にはあまり重要ではなく、その後のTLR4同士のクラスタリングに重要であることが明らかとなった。これらの知見はMD-2がLPSとの結合、その後のTLR4同士のクラスタリングの双方に関与し、それぞれを独立して制御していることを示しており、MD-2がLPS応答を制御する上での、標的分子となりうることが明らかとなった。また、LPS応答を制御する試みとして、TLR4に対する抗体を用いて、LPSとGalactosamineで誘導される肝細胞アポトーシスに対する影響を調べたところ、Sa15-21というモノクローナル抗体が肝不全による個体死を前投与にて予防することが明らかとなった。その作用機序として、抗体がTLR4/MD-2を刺激して、肝細胞に抗アポトーシス分子を誘導することによることを示した(業績5)。この結果は、TLR4/MD-2を標的とする新たなエンドトキシンショックの治療法の可能性を示唆している。今後さらにこれらの研究を進めてゆく。
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Research Products
(6 results)