2002 Fiscal Year Annual Research Report
パラミクソウイルスの膜融合蛋白の機能およびそれを制御する宿主細胞因子に関する研究
Project/Area Number |
14021042
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鶴留 雅人 三重大学, 医学部, 助教授 (50159042)
|
Keywords | パラミクソウイルス科 / シミアンウイルス5 / 細胞融合 / F蛋白 / 構造変化 / モノクローナル抗体 / エンドサイトーシス / コレステロール |
Research Abstract |
既に報告したように、SV5 WR株のF蛋白(WR-F)の22番目のLeu.をProに変えた変異F蛋白(L22P)は、HN蛋白非依存性の細胞融合誘導能を示す。また、L22P発現HeLa細胞には36kDaの蛋白が出現するが、WR-F発現細胞にはこの蛋白が検出されない。 [成績] 1.細胞表面に発現したL22Pはエンドサイトーシスされてライソソームに移動し、そこで分解されることにより、L22PのF1のN末側に由来する36kDaおよびC末側に由来する15kDaの蛋白が生じることを明らかにした。また、L22Pのエンドサイトーシスはコレステロール依存性であり、L22PがF1とF2に解裂していることが必要であった。一方、WR-Fのエンドサイトーシスは認められなかった。 2.WR-F発現細胞を47℃で熱処理すると、HN蛋白非依存性の細胞融合が誘導され、WR-Fがエンドサイトーシスされることを見い出した。この処理によりWR-Fに抗L22P抗体(mAb 21-1)のエピトープが露出した。 [考察] WR-Fは熱処理によりpostfusion conformationへと構造変化することが示唆された、同時にエンドサイトーシス、mAb21-1のエピトープの露出が起こることから、融合した細胞膜に挿入されているfusion peptideがコレステロールと結合し、これがエンドサイトーシスのシグナルになるものと推論した。またこの構造変化はmAb21-1のエピトープの存在するhead regionに生じるものと考えられる。一方、L22Pではこのエピトープが解裂前から露出しているが、このためにpostfusion conformationへと構造変化を起こしやすく、37℃でもHN蛋白非依存性の細胞融合能を示すものと結論した。以上の結果を論文にまとめ、投稿した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Yoko Okamoto: "Expression and regulation of 4F2hc and hLAT1 in human trophoblasts"American Journal of Physiology Cell Physiology. Vol.282. C196-C204 (2002)
-
[Publications] Noriki Miyamoto: "Human osteosarcoma-derived cell lines produce soluble factor(s) that induces differentiation of blood monocytes to osteoclast-like cells"International Immunopharmacology. Vol.2. 25-38 (2002)
-
[Publications] Morihiro Ito: "Up-regulated expression of a novel gene in activated human peripheral blood mononuclear cells that is a truncated paralog of the human system L-amino acid transporter 1"International Journal of Biochemistry and Cell Biolology. Vol.34. 1152-1163 (2002)