2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14021069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡島 俊英 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10247968)
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Keywords | ファージディスプレイ / 触媒抗体 / モノクロナール抗体 / 感染制御 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
様々な病原体の感染を制御するための人工防御分子を実現するために、抗体ファージディスプレイ法を利用して、細胞表面抗原特異的な抗体とペプチダーゼ型触媒抗体を作製するための基礎的研究を行うことを目的として、以下の研究を行った。 (1)HepG2細胞特異的なモノクロナール抗体の調製 HepG2細胞で免疫したマウスから、抗体ファージディスプレイ法を用いてHepG2細胞表面に結合するファージクローン集団を得た。さらに単一クローンに分離して、ファージレベルで結合能をELISA等で詳細に調べた結果、単一クローンでも細胞表面に結合することが判明した。さらに、FAB断片として抗体分子を発現させるとともに、結合する抗原についても解析を進めている。 (2)配列特異的プロテアーゼの創出 配列特異的プロテアーゼ反応に対応した遷移状態類似体を合成した。具体的には、Ala残基のカルボキシル基をリン酸基に変換したアミノ酸誘導体をペプチド中に取り込ませた。現在、さらにこれを担体タンパク質であるKLHに結合させ、マウスを免疫することを計画している。これとは別に、基質ペプチドそのものでマウスを免疫し、抗体提示ファージライブラリーを構築している。また、活性に基づいて、抗体提示ファージライブラリーをスクリーニングするために、改変型ヘルパーファージを用いて、ファージpIIIタンパク質との融合体として、ファージ表面上に抗体ライブラリーを発現させた。ファージpIIIタンパク質の基質結合部位に基質ペプチド複合体を固定したのち、温度の上昇あるいは金属イオンの添加によって反応を開始させ、最終的に表面上で基質ペプチド切断反応が起きたファージを、固体ビーズからの溶出や生成物に特異的な抗体によって回収することを考えている。
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Research Products
(1 results)