2002 Fiscal Year Annual Research Report
中学・高校における遺伝子組換え実験のカリキュラム立案と指導体制の確立に関する研究
Project/Area Number |
14022223
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 徹 岐阜大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20235972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布藤 聡 株式会社ファスマック, 代表取締役社長(研究職)
松本 省吾 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90241489)
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Keywords | 遺伝子組換え / 教育学 / GFP / バイオテクノロジー / 理科教育 |
Research Abstract |
本年初頭の省庁合併によってこれまで文部省と科技庁で別個に定めていた遺伝子組換え実験の安全指針を統合する作業が進められており、近く発表される。この中で、上に記したような安全性の確立した実験について中学高校において実施することが認可される運びである。これまで中学・高校においては、こういった取り組みが全く行われてこなかったため、カリキュラムや全ての面で、準備状況は不十分である。 我々の研究グループは、数年前からこういった状況が来ることを予測し、カリキュラムの作成と高校生に対する講習会を開くことによる、カリキュラムの実効性の検証を行っている。本研究プロジェクトは、こういった試みをさらに発展させ、生物科の高校教師に対するトレーニングコースを行う中で、細胞、遺伝子、タンパク質を子供たちに解りやすく提示し、理解を深める教育を行う方法ついてのモデルの作成をおこなうことを目的とした。 大腸菌にクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子プラスミドを導入する形質転換実験と、PCR法を用いた遺伝子診断法の開発を行った。PCR法は、高熱菌のDNAポリメラーゼを用い、短時間に特定の遺伝子を数10億倍に増幅する方法であり、生物学、医学、環境科学、犯罪捜査などの様々な分野で応用されている。本実験では、PCR法をアルコールの代謝能を決定する酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)の検出に応用した。この遺伝子上に一塩基の違いが酵素の活性を決定しており、野生型(W/W)に対しヘテロ変異型(W/M)は8%、ホモ変異(M/M)は0%の活性を示す。この違いは、アルコールパッチテストにより容易に検出できる。この形質が、確かに一塩基の違いで決まることを実験者自身の細胞から取り出したDNAを用い実験的に確かめることができた。 この実験は、一種の遺伝子診断である、このため実験に先立ち、本人と保護者に説明し十分に理解した上で承諾書を提出させた。これにより、インフォームドコンセントの意味、生命倫理のついての理解を深めることも目指した。
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