2002 Fiscal Year Annual Research Report
天文・地質分野におけるデジタル教材開発と初等中等教育現場での教育実践研求
Project/Area Number |
14022224
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川上 紳一 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80183036)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 智 岐阜大学, 工学部, 教授 (20170243)
小井土 由光 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60101424)
|
Keywords | 教育学 / 天文 / 地質学 / 層位・古生物学 / 自然災害 / web教材 / 月 / 金星 |
Research Abstract |
岐阜大学附属中学校と長良中学校の生徒を対象に、天体望遠鏡(スピカ)による金星の満ち欠けの観察を取り入れた授業を実践した。この間、岐阜大学では天気の良い日は可能な限り金星の観察を行い、得られた画像をその日のうちにホームページで公開し、生徒たちの観測への動機づけや観察結果の確認のため使用した。まとめの授業では、継続的な観察結果を踏まえ、モデルによって観察事実が合理的に説明できるか検証した。また、宵の明星の観察を基に、明けの明星になった金星の姿を予想し、さらなる観察で確認を行った。今回の実践では内合通過前後で観察を行うことで、有意義な授業を展開できた。 一方、月の満ち欠けについては、岐阜大学附属小学校4年生を対象に、天体望遠鏡(スピカ)と双眼鏡による月の観察を行った。天体望遠鏡の視野の中に月を導入すること、望遠鏡のピント合わせなど、小学4年生には困難な課題を提示したが、多くの子どもが観察に成功した。とりわけ、せっかく月が見えるようになったのにすぐ月が視野からはずれることに気づいた子があり、授業での交流で月が動いているかどうかが問題となった。その結果、次の授業までにもう一度観察して確かめる課題へと発展した。結局、多くの子どもが月が東から西へ動いていること、日ごとに東へ移動すること、月の地形やクレーターの存在に気がついた。岐阜大学のホームページでは、月の満ち欠け、地形やクレーターを紹介したホームページを作成し、興味をいだいた子どもたちにより深い学習へと発展できるようにした。天体望遠鏡による月の観察を取り入れた指導法については、今後も授業で実践し、改良していく必要がある。 このほか、小中学校で学習する理科(特に2分野)の学習や高等学校「理科総合B」の学習を支援する教材をホームページに多数掲載した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 川上紳一, 渡村悠美子ほか3名: "月の満ち欠けに関する児童・生徒の理解度のアンケート調査"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 27(1). 23-28 (2002)
-
[Publications] 川上紳一, 渡村悠美子ほか4名: "アンケートによる天文現象の理解度調査と理科教育におけるカリキュラムのあり方についての考察"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 27(1). 29-40 (2002)
-
[Publications] 川上紳一, 大塚俊之ほか4名: "ミミズコンポストを用いた環境教育・理科教育に関する総合学習の実践へ向けて"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 27(1). 41-47 (2002)
-
[Publications] 渡辺進武, 川上紳一ほか3名: "天体望遠鏡(スピカ)とインターネヅトを活用した中学校理科金星の満ち欠けの指導:内合通過前後の観察を通じて"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 27(2)(印刷中). (2003)
-
[Publications] 丹羽直正, 酒井茂, 川上紳一ほか3名: "探求心を育む理科授業:天体望遠鏡(スピカ)と双眼鏡を用いた月の観察を通じて"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 27(2)(印刷中). (2003)
-
[Publications] 酒井茂, 川上紳一: "小学4年「もののかさと温度」の指導法の考察と授業の実践"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 27(2)(印刷中). (2003)