2002 Fiscal Year Annual Research Report
理数系科目と連係するベーシックデザイン教育用課題の考案と学習効果の定量的評価
Project/Area Number |
14022236
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木下 武志 山口大学, 工学部, 講師 (90244772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 真冬 山口大学, 工学部, 助教授 (00343301)
一川 誠 山口大学, 工学部, 助教授 (10294654)
三池 秀敏 山口大学, 工学部, 教授 (10107732)
長 篤志 山口大学, 工学部, 助手 (90294652)
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Keywords | ベーシックデザイン / デザイン教育 / 画像計測処理 / 心理計測 / 幾何学的図形 / 色彩 / 体験授業 / 講評会 |
Research Abstract |
本研究は,ベーシックデザイン教育の学際性と参加型表現(造形)学習であることに着目し,理数系科目と連係させて児童生徒の興味・関心を高めることを目的した.実習課題・指導方法の考案と体験授業を実施し,授業中の観察や制作課題のデザイン的評価と画像計測処理・インタビューの分析の定量的評価を比較検討した. 課題考案のために,1)小学校高学年の現在使用中の教科書(算数,理科,図画工作)の調査した.その結果,デザイン的な価値観や教育方法が十分ではなく,美術教育との差別化も少ない状況が判明した.2)デザイン教育を確立したバウハウスの資料収集をバウハウス資料館(ドイツ,ベルリン)で行った.結果,視覚(色彩・質感・形態)トレーニングに徹した課題が重要な参考となった.3)関連する人間の視覚の恒常性について国際会議(スペイン)で研究発表を行った.考案に当たっては,算数の教科書で比較的多く取り上げられ,テーマとの関連付けが容易であった幾何学的図形の作図を基本とし,次の4つの実習課題を考案した.課題1-可視光線である「色」の理科的な認識と明度を彩色して理解する.課題2-色名とその由来を覚え,絵の具の材料となる物質を理解する.課題3-有彩色の明度を弁別する.課題4-基本的な幾何学的形態3個を組み合わせて,美しい形態を構成する. 体験授業(計3回.平成14年11月〜12月)は,希望した小学校5年生11名(山口県宇部市立上宇部小学校)を対象として実施した.土曜日午後から4時間使用して,講義及び課題の出題・説明(30分),制作時間(2時間30分),講評時間(30分),インタビュー時間(30分,1人約15分)とした. インタビューの統計分析や画像処理計測の結果,課題1での明度差7段階の正確さや彩色での色面の塗りの均一さ,課題作品4での形態の組み合わせによる色面の面積のばらつき度において指導教官との評価と一致した.また,算数に関わる事柄についての関心の向上が示され,学ぶことの意味づけを明確にすることが示された.指導方法として,参加生徒全員の前で評価順に並べ,個別にアドバイスする講評会については学習意欲の向上に繋がる傾向が示された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 木下 武志: "ベーシックデザイン教育のあり方(1)"山口大学工学部研究報告. 第53巻第2号. 6 (2003)
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[Publications] 長 篤志: "A human-oriented rendering based on perception of visual angle and viewing distance"Proceedings of the Second IASTED International Conference, VISUALIZARION, IMAGING, AND IMAGE PROCESSING. 6 (2002)
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[Publications] 長田和美: "Relationship between apparent visual angle and distance"The Second Asian Conference on Vision (ACV 2002). 1 (2002)
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[Publications] 篠原久美子: "Apparent weight of color"The Second Asian Conference on Vision (ACV 2002). 1 (2002)