2002 Fiscal Year Annual Research Report
近世日本における和時計の素材、加工法、構造の復元的研究
Project/Area Number |
14023103
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
石川 充宏 高知大学, 教育学部, 教授 (70184497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 昌伸 広島市立大学, 芸術学部, 助教授 (10275422)
菅沼 研一 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (20154445)
中村 滝雄 高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (60198215)
眞鍋 豊士 高知県立工業技術センター, 材料技術部, 主任研究員
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Keywords | 和時計 / 金属工芸 |
Research Abstract |
トヨタコレクションの和時計の本格的調査以前の6月に、高知県立牧野植物園で開催されたシンポジュウムで「金属工芸家の観る和時計」と題して、研究代表者が発表を行った。その内容は、高知県立民俗資料館と佐川町立青山文庫に所蔵されている和時計資料調査の報告と、本研究の今後の計画を発表した。 7月17日東京文化財研究所に保管のトヨタコレクション和時計資料40数点の調査を、研究グループ全員が出席して行った。午前中に全資料のチェックと概略調査を行い、午後から本研究の対象となる資料の選定を行った。その結果、台時計(QP16168)を研究者総意で選出した。今年度の主たる研究は、研究対象物の作図データ作成である。8月末に東京文化財研究所から届いたX線資料を基に3Dデータ作成を南が担当し作業に入った。対象物の実測は分解が許されない為に、限られた箇所の実測しか出来ない。また、X線資料はパースがついてしまうので、実際の寸法を計測するには限界を生じる。今回の調査条件を考慮すると、現物との多少の寸法誤差は致し方が無い。Macintosh G4を使用し、shade professional5のソフトを使って、1月末には精度のある作図が完成した。3Dモデリングは、来年度に予定されている復元作業に向けて、重要な構造分析資料となる。 国内外関連資料調査は、セイコー時計資料館、島田市博物館、SCIENCE MUSEUM・VICTORIA & ALBERT MUSEUM・大英博物館(ロンドン)、ルーブル美術館(パリ)で行った。国内では、セイコー時計資料館に多くの各種和時計を見ることが出来たが、貴重な文献資料を所蔵しているので今後も何度か足を運ぶ必要がある。島田市博物館には江戸時代の作業工具資料調査に行ったが、残念ながら本研究に必要な資料として価値が低いと判断されるものだった。海外には2月中旬に1週間の日程で2名が出向き、ロンドンのSCIENCE MUSEUMを主に調査した。
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