2005 Fiscal Year Annual Research Report
わが国科学技術黎明期における佐賀藩の役割-鉄製大砲・蒸気船製造を中心に-
Project/Area Number |
14023106
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小川 博司 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 教授 (10039290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 暹 佐賀大学, 名誉教授 (80039221)
吉田 明 豊橋技術科学大学, 名誉教授 (20023145)
牟田 一彌 京都大学, 名誉教授 (70039270)
池上 康之 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 助教授 (80232172)
郭 其新 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (60243995)
田中 徹 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 助手 (20325591)
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Keywords | 反射炉 / 佐賀藩翻訳書 / 鉄製大砲 / 台場 / リレーシンポジウム |
Research Abstract |
平成17年度は、国内では弘化・嘉永期の海防関係の資料の調査に努め、島原・大分・鹿児島・対馬・鳥取・金沢・名古屋・東京・盛岡・釜石・秋田の各資料保存機関を訪れた。海外では北京・グラスゴーで器物・文献の調査を行った。調査で得られた資史料のCDへの収録を行った。 調査・研究の成果を公表するために、鹿児島・佐賀・萩の3会場でリレーシンポジウムを開催した。これは16年度に続いて行ったもので、佐賀会場では「ハイテクにっぽんの源流PartIV-情報と技術の伝播-」のテーマで行った。佐賀・鹿児島・萩・京都・東京・盛岡からの研究報告があり、情報と技術が伝えられてゆく様相が議論された。また、「江戸のモノづくり」佐賀班のメンバーが中心になっている幕末佐賀科学技術史研究会」を2ヶ月に一回の割で開催した。このように調査と研究成果の公表を進めたことによって人々の関心も高まってきた。 これまでの調査で収録した成果をデジタル化する作業を進め、作成したCDは110余枚に及んだ。これらを整理し、そのDVD化を進めた。また、佐賀藩が所蔵した科学技術資料のなかで、基本的資料を多くの研究者が閲覧できるためにホームページを作成する段取りを行った。最も基本的な5500余点の各々について内容を記述した「史料書冊目録」、反射炉と大砲について基本資料となったU.Hugueninの「佐賀藩翻訳書」と「大小銃製造録」、長崎港の砲台増築を記録した「内外台場改築始末」などをデジタル化し、ホームページ資料とした。 佐賀藩が築地と多布施の反射炉で鋳造した鉄製大砲の鉄質について、これまで和鉄説と洋鉄説があった。この検討のために前期反射炉跡地から出土した鉄片について、X線分析を行うとともに、さらに専門機関に化学的分析を依頼した。4年間の調査によって得られた資史料の整理を行い、それらの中で「佐賀藩翻訳書」など基本的なものを製本した。
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Research Products
(11 results)