2002 Fiscal Year Annual Research Report
奥村菅次作噴水器に関する素材・技法調査及び複製制作による考察
Project/Area Number |
14023207
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
宮田 亮平 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (00174194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 行雄 東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (70242253)
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Keywords | 江戸のモノづくり / 噴水器 / からくり / 鍛金 / 金工 |
Research Abstract |
これまでの調査結果 復元制作に必要な素材、技法調査及び資料収集は、以下の様に行った。 ・デジタルX線透視撮影による構造分析 ・実測による形状測定・材料分析調査 ・類型する作品に関する国内外での調査、資料収集 ・彫鍛金技法に関する国内外での調査、資料収集 ・復元制作の為の図面制作 ・図面をもとにした試作制作 噴水器の素材、技法、構造等の調査をもとに復元制作のための制作法、組立手順等も含めた解析調査を行った結果以下のことが明らかになってきた。 最初にX線透視撮影図像による内部構造の解析、実測を行い、同時に類似した作品のX線透視撮影による内部構造の調査、比較検討を行った。対象品のX線透視撮影図像と実測をもとに外部形状の計測と技法等の解析を行った結果、外部形状は銅を深絞り加工した後、表面に金鎚による荒らし加工後さらに錫による表面加工(錫引き加工)を施した物であることが解った。また実測による図面を制作、それをもとにした外部形状の試作制作をその制作工程を記録撮影した。その際の絞り技法(ヘラ絞り機械加工)によって、金属板の板厚の変化が見られたが。同じように対象品に部分的に板厚の違いが見られた。これは、ヘラ絞り機械加工品の特徴と一致するものと思われた。上部装飾品は、銅を高肉彫りした物と線彫りを施した物と変形絞りした物とに分類でき、表面処理は煮色着色と金アマルガム鍍金と硫化仕上げをした3種類があることが解った。また、内部の噴水の機構部品は、銅合金の機械加工と推定しているが、噴水の機構構造についても試作制作・資料収集等も行っているが、まだ明確な情報を得ることは出来ていない。
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