2003 Fiscal Year Annual Research Report
薩摩藩集成館事業における反射炉・建築・水車動力・工作機械・紡績技術の総合的研究
Project/Area Number |
14023215
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長谷川 雅康 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00253857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 芳郎 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (10210965)
田辺 征一 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (10026130)
門 久義 鹿児島大学, 工学部, 教授 (40047634)
池森 寛 西日本工業大学, 工学部, 教授 (70148857)
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Keywords | 薩州見取絵図 / 反射炉 / 集成館 / 地下探査 / 鹿児島紡績所 / 薩摩焼 / 鑚開台 / 熔鉱炉 |
Research Abstract |
(1)反射炉;反射炉の発掘調査結果を種々検討した。重要な結果は、反射炉の基礎部分の寸法が、ヒューゲニンの技術書の寸法にほぼ一致する。2炉・2煙突をもつ基本的な反射炉で、2号炉である。水気防止や強度向上のための工夫と苦労が薩魔人独自の石組の緻密さに見られ、薩摩焼の陶工による耐火煉瓦の焼成が典型である。反射炉建造は壮大な集成館事業の種々採用された諸技術の中核をなし、日本の近代化の先駆的事業であったことが確認される。(2)建築,集成館事業の第一期斉彬時代に、外観は日本の伝統的木造建築で、柱間寸法と小屋組が特徴、機械設備を入れる広い内部空間確保のための試みがみられる。第二期忠義時代(薩英戦争後)は、石造機械工場や鹿児島紡績所の建築など大規模な洋風工場建築の時期。後者の建築には外国人と直接関わり、近代建築技術を摂取した。「薩州見取絵図」や写真・現地測量・地下探査調査結果を踏まえ、コンピュータ解析し、第二期の工場群配置図と模型を完成した。(3)水車動力,川上取水口での流量測定の結果及び磯地域で発見された当時の水路溝の落差・断面積から熔鉱炉や鑚開台で使用の在来型木製縦型上掛け水車の動力を見積った。国内外の水車の歴史を総括し、薩摩藩の鉱山や集成館の水車の技術史上の位置を考察した。(4)工作機械,尚古集成館所蔵のオランダ製形削り盤(重文)の各部の寸法を測定して、図面化した。また、その運動解析を行い、バイトの運動状態とストロークとの関連などを解明した。(5)紡績技術,2種類の「薩州見取絵図」にある綿繰機、広幅織機の絵図を詳察し、復元可能な製作図面を作成し、綿繰機復元に着手した。薩摩藩の綿繰機のわが国繊維技術史における位置付けを検討した。英国プラット社が鹿児島紡績所に輸出した機械類のリストを同国で見出し、従来の定説と比較検討した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 土田充義, 藤田智子, 水田丞, 弘田礼子: "第一期「集成館」における建築学的研究"鹿児島大学工学部研究報告. 第44号. 63-69 (2002)
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[Publications] 土田充義, 水田丞, 弘田礼子, 藤田智子: "第二期「集成館」における建築学的研究"鹿児島大学工学部研究報告. 第44号. 71-76 (2002)
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[Publications] 土田充義, 藤田智子, 水田丞, 弘田礼子: "第三期「集成館」における建築学的研究"鹿児島大学工学部研究報告. 第44号. 77-82 (2002)
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[Publications] 玉川寛治: "島津斉彬時代の紡織技術(第1報)-『薩州見取絵図』に描かれた綿繰機-"産業考古学. 第109号. 12-19 (2003)
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[Publications] 上田 耕: "近代以前の鹿児島県の鉄生産"鹿児島県考古学会鹿児島考古. 第37号. 41-58 (2003)
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[Publications] 長谷川 雅康, 上田 耕: "薩摩藩集成館溶鉱炉の探求〜発掘事前調査などについて〜"技術史教育学会研究発表講演論文集. 26-28 (2003)
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[Publications] 尚古集成館: "旧集成館溶鉱炉・反射炉跡 旧集成館史跡整備事業に伴う確認発掘調査報告書"株式会社島津興業. 384 (2003)