2002 Fiscal Year Annual Research Report
幕末期科学技術史に貢献したる学者・職人の著作物に関する研究
Project/Area Number |
14023227
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
八耳 俊文 青山学院女子短期大学, 教養学科, 教授 (30220172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒石 いずみ 青山学院女子短期大学, 教養学科, 助教授 (70341881)
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Keywords | 日本史 / 東洋史 / 技術史 / 建築史・意匠 / 科学史 |
Research Abstract |
本年度は江戸のモノづくりを東アジアの近代史の中で把握することを目的に、1850年以前に刊行された中国に関する欧文文献のコレクションを購入し、分析を進めた。また国内5機関所蔵資料の調査を実施した。 1.ロンドン大学東洋アフリカ学院図書館が所蔵する「1850年以前に刊行の中国に関する欧文図書」コレクションのマイクロフィッシュ4717枚を購入した。このうち欧文資料について最も網羅的なコルディエ編『中国書誌』(1908-22)と比べ、その40%を覆うとされる19世紀資料に焦点をあて、百科全書・総記、集録編纂物、雑書、図書目録、中国研究・論争、工芸・建築、科学の項目に分類された資料群の調査研究をおこなった。「科学」の項目では医学関係資料が大半を占め、19世紀前半の中国における西洋医学の活動(イギリス東インド会社商館医および宣教医の活動)を知る重要な資料であることを確認した。現在、同時代資料の東アジア地域の総合研究雑誌Chinese Repositoryと併用し、調査研究を進行中である。 2.福井県立図書館、九州大学、名古屋市鶴舞中央図書館、名古屋大学、名古屋市東山植物園に出張し、これら機関に所蔵される江戸後期の科学技術関係の資料を調べ、必要文献については複写物を入手した。 3.(黒石)明治期以後の日本庶民生活における習俗とその建築空間表現についての基礎的文献、日本建築史に関連する基礎的文献の研究を実施した。このほか大正期以後の建築尺度の近代化過程に関する資料収集をおこない、建築の尺度と構法、生産組織、社会制度との関連、外国の事例の受容を中心に考察し、それを明らかに示す事例として昭和期の建築基準規格制定の過程を調査した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 八耳 俊文: "図書館蔵「中国・日本関係の洋書」特別コレクション"青山学報. 202号. 79-81 (2002)
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[Publications] 日本地学史編纂委員会(八耳ほか): "日本地学の展開(大正13年〜昭和20年)<その3>"地学雑誌. 112巻・1号. 131-159 (2003)
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[Publications] 黒石 いずみ: "フランス外でのエコール・デ・ボザール"青山学院女子短期大学紀要. 56輯. 109-122 (2002)
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[Publications] 黒石 いずみ: "歴史的都市・建築の保存と生活空間の視点から再考察する-今和次郎の疑問を手がかりに-"2002年度日本建築学会第三世界歴史都市・住宅特別研究委員会報告書. (4月発行予定). (2003)
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[Publications] Izumi Kuroishi, Ph.D: "The Creation of a National Module in Japan after WWII"Contribution and Confusion : Architecture and the Influence of Other Field of Inquiry(Association of Collegiate Schools of Architecture). (8月発行予定). (2003)