2003 Fiscal Year Annual Research Report
幕末期科学技術史に貢献したる学者・職人の著作物に関する研究
Project/Area Number |
14023227
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
八耳 俊文 青山学院女子短期大学, 教養学科, 教授 (30220172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒石 いずみ 青山学院女子短期大学, 教養学科, 助教授 (70341881)
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Keywords | 科学史 / 技術史 / 建築史・意匠 / 日本史 / 東洋史 |
Research Abstract |
1.19世紀中国の研究 19世紀日本の科学技術史は東アジア全体の中で捉える必要であり、同時代の中国研究は欠くことができない。平成14年度はロンドン大学アジア・アフリカ学院(SOAS)所蔵の「1850年以前刊行の中国に関する欧文文献」コレクション(マイクロフィッシュ形態)を購入し、15年度は前年度に継続して分析を進めた。15年度はその補完のため、8月と3月に英国所蔵資料の現地調査を実施した。調査機関は、英国図書館、SOAS図書館、ウェルカム図書館(以上、ロンドン)、ボドリアン図書館(オックスフォード)で、これらにおいて貴重な情報を得ることができた。 2.川本幸民の著作物の研究 研究課題である学者として川本幸民、職人として上野俊之丞を選び、関連資料の収集および撮影化を進めた(それぞれ16年度、17年度完了予定)。15年度は川本幸民資料としては鹿児島大学附属図書館玉里文庫、日本学士院図書室を上野俊之丞関係資料としては同玉里文庫、長崎県立長崎図書館蔵資料を対象に作業を実施した。川本幸民については息子である川本清一と合わせて活動を考える必要があり、日本学士院蔵川本幸民関係資料を使用し、この研究を進めた。 3.大工術の研究 日本木造建築史や日本大工技術史、また和算の基本的文献をおこなった上で、江戸期に普及した実践的な大工技術書における差金技術の発達を検証し、非論理的で習慣的技術とされてきた差金術が、どのように和算などの江戸期の数学と関連していたのかを考察した。その上で、山口県の錦帯橋や岩手県気仙沼市の気仙大工技術の調査、技術書や儀礼書の調査を行い、実査にどのような部分にその特徴が現れているかを考察した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 八耳 俊文: "ピアソンの種痘書-中国における普及について-"洋学史通信. 19号. 4-5 (2003)
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[Publications] 八耳 俊文: "科学と宗教の間で:19世紀中国と日本に広まった顕微鏡と望遠鏡の世界"『江戸のモノづくり』第3回国際シンポジウム発表講演集『近世日本における科学・技術の源流』. 25-28 (2003)
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[Publications] 八耳 俊文: "ウェルカム図書館ホブソン文書を用いたベンジャミン・ホブソン(合信)伝"青山学院女子短期大学総合文化研究所年報. 11号. 99-120 (2003)
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[Publications] 八耳 俊文: "『博物通書』から『博物新編』へ-入華宣教師の科学啓蒙書のはじまり-"第4回漢字文化圏近代語研究会・予稿集. 51-59 (2004)
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[Publications] Izumi Kuroishi: "Mathematics of Carpentry in Historic Japanese Architecture"NEXUS Journal. (編集中). (2004)
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[Publications] 黒石いずみ: "気仙大工の技術の伝統と現代の取り組み"建築士. (編集中). (2004)