2004 Fiscal Year Annual Research Report
幕末期科学技術史に貢献したる学者・職人の著作物に関する研究
Project/Area Number |
14023227
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
八耳 俊文 青山学院女子短期大学, 教養学科, 教授 (30220172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒石 いずみ 青山学院女子短期大学, 教養学科, 教授 (70341881)
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Keywords | 科学史 / 技術史 / 建築史・意匠 / 日本史 / 東洋史 |
Research Abstract |
1.(1)幕末期科学技術史において中国で出版された入華宣教師による漢文科学書が果たした役割は大きかった。前年度に引き続き、平成16年度も科学・医学の分野で日本側によく読まれた英国宣教医ベンジャミン・ホブソンの著作及び生涯に関する資料を英国にて調査・収集した。ホブソンには書名のみ知られ、内容の明らかでない宗教的著作が多く存在するが、今回の調査で6点の現存を確認し、その複写物を入手した。ホブソン研究の成果は7月に開催された江戸のモノづくり第5回国際シンポジウムおよび12月に開催された洋学史学会年大会で発表した。また入華宣教師達の著述に影響を及ぼした書物一般を考察し、その成果を3月に上海で開催された国際シンポジウムで報告した。 (2)学者の例として蕃書調所教授川本幸民に焦点をあて、前年度と継続し、日本学士院に収蔵される関係資料の全マイクロフィルム化を進め、作業を完了した。日本学士院蔵同資料には幸民の子、清一の資料も多く含まれ、清一についても研究を進めた。これに並行して実施した、江戸の化学史に関心をもった近代の学者、岡由家武と千野光芳についての研究を、5月に開催された日本科学史学会年大会と6月に開催された化学史学会年大会で報告した。 2.職人の例として長崎の時計師上野俊之丞を選び、関連資料の収集・撮影に努めた。その成果の一部は10月に開催された洋学史学会例会にて発表した。 3.江戸期日本への中国建築技術書『魯班経』渡来過程を、岩手県大船渡市でさらに調査したが具体的な物証を得ることが出来なかった。そこで、視点を広げて『魯班経』の主要な部分である建築儀礼の風水思想伝来過程を調査することにし、江戸期の中国福建省から来日した隠元和尚とその随伴者たちによる建築儀礼や建築技術に関する資料の調査を、京都萬福寺を中心に行った。 (1.2.は八耳俊文の研究実績の概要。3.は黒石いずみの研究実績の概要)
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Research Products
(11 results)