2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本近代の造形分野における「もの」と「わざ」の分類の変遷に関する調査研究
Project/Area Number |
14023241
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Research Institution | Independent Administrative Institution, National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
山梨 絵美子 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 協力調整官-情報調整室, 室長 (30170575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 照男 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
鈴木 廣之 東京学芸大学, 芸術スポーツ学系, 教授 (00132704)
田中 淳 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部・黒田記念近代現代美術研究室, 室長 (00163501)
塩谷 純 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部・黒田記念近代現代美術研究室, 主任研究官 (90311159)
小林 純子 沖縄県立芸術大学, 芸術学部, 助教授 (80316207)
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Keywords | 美術 / 工芸 / モノづくり |
Research Abstract |
本研究の4年次にあたる平成17年度は、これまでの調査研究のまとめにあたり、これまでに行ってきた基礎的な資料の公開と活用、これまでの成果の公表のために以下の作業を行った。 明治期に行われた府県博覧会の出品目録については、これまでに資料収集を終え、デジタルデータ化も行い、明治9年開催分まではすでに報告書『明治期府県博覧会出品目録』として刊行している。明治10年以降の開催分についてもデジタルデータ化を行い、成果の刊行を目指して、さらにデータの精度を上げるべく校正を進めた。 また、これまで行ってきた幕末明治大正期に刊行された書画家番付の画像データベースのデータを追加し、新たな検索方法による運用を可能にし、このデータベースに含まれる全人名リストを作成した。 これらの作業によって、現在「美術」の範疇に入れられている造形物は少なくとも明治10年代までは詩・書・音曲・舞踊などの諸芸のひとつとしてあり、第一回内国勧業博覧会の開催される明治10年以降、暫時、「美術」として独立していくことが具体的に明らかになった。これらの成果を踏まえて、この研究全体の報告書を作成した。 上記の資料は官立の制度が比較的速やかに受容された地域における事象を対象としているが、本研究では琉球・沖縄をひとつのサイトとして、近世のモノづくりが近代の造形分野の分類概念によって、どのように変化してきたかをひとつの柱としてきた。本年はその成果として、シンポジウム「沖縄のモノ作りの伝統と創造」(06.1.28-29)を沖縄県立芸術大学で開催し、その報告書を制作した。
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