2005 Fiscal Year Annual Research Report
文化財における複合素材の保存修復のための材料技法の開発に関する調査研究
Project/Area Number |
14023243
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Research Institute for Cultural Property, Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 寛 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部, 部長 (70161114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野邊 渉 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部・修復材料研究室, 室長 (00169749)
大塚 英明 日本大学, 文理学部, 教授 (10102633)
青木 繁夫 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, センター長 (60088797)
早川 典子 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部・修復材料研究室, 研究員 (20311160)
森井 順之 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部・修復材料研究室, 研究員 (30342942)
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Keywords | 美術史 / 国際協力 / 複合素材 / 工芸史 / 産業史 |
Research Abstract |
☆研究の概要 1)トヨタコレクションの保存状態の調査並びに写真撮影 平成17年度は、トヨタコレクションの絵画・測量器具およびその史料を対象に記録作成と写真撮影(12月8日〜9日、2月7日〜9日)を行い調査台帳に追加した。 2)複合素材の調査 本研究では、平成14年度から文化財に使用されている複合素材をテーマに、その劣化と保存修復について調査を行った。複合素材については産業革命の経験のあるヨーロッパやアメリカなど先進的な研究が進んでいる地域がある。 文化財における複合素材については、おもに産業技術系の博物館や科学博物館などを中心として調査あるいは研究を行い、展示というかたちで成果を一般に公開している例が多い。また、近年では文化庁を中心にして行っている近代の文化遺産の保存・修復の事業の中で、近代建築、航空機、船舶、鉄道関係の研究に加え、ダムや発電施設といった大型構築物に関する調査研究も進められている。それらの近代文化遺産とも言うべき文化財に使用されている鉄やセメントあるいは合成樹脂などを組み合わせた複合素材の保存・修復については、今後の大きな課題として次世代に引き継がれてゆくことと考えている。 3)海外および国内調査 平成17年度の海外調査については、8月7日〜17日にかけてアムステルダム・ライデン・マーストリヒトなどのオランダ各地を巡り、産業遺産及び石橋に関する調査研究を行った。また、パリ工芸博物館では、各種産業革命遺産の調査もあわせて行った。国内調査に関しては、1月25日〜27日に大分県臼杵市、鹿児島県鹿児島市などオランダ関連の石橋調査を行い、江戸期建造のアーチ橋が中国式(リブアーチ)とは違った構造であることを確認し、江戸後期に九州で広がったアーチ橋構築技術の欧州起源であることを補強した。
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Research Products
(6 results)