2002 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルRac1欠損マウスを用いた発がんの研究
Project/Area Number |
14026028
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
饗場 篤 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20271116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 育雄 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50335452)
野田 朝男 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40294227)
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Keywords | Rac / トランスジェニソクマウス / H-Ras / Cre / BAC |
Research Abstract |
個体レベルで低分子量G蛋白質Racの発がんに関する役割を検討するため、Rac1欠損マウスを、rac1の翻訳領域をloxPで挟んだrac1染色体DNAのBACトランスジーン(floxed-rac1-EGFP)でレスキューする実験を計画し、6系統の独立なrac1(+/-)/floxed-rac1-EGFPトランスジェニックマウス(Tg)を得た。さらに、Rac1の欠損とがん遺伝子の発現が同時に同一の細胞で起こるためのマウスの作成も行った。すなわち、乳腺特異的プロモーターMMTV-LTRの制御下にドキシサイクリン投与によって転写活性が抑制できるテトラサイクリン調節性トランス活性化因子(tTA)を発現するTgと両方向性のテトラサイクリン応答因子(TRE)制御下にCreとポリオ-マウイルスミドルT(PyV-mT)を発現するTgの2重Tgを7系統作成した。この2重Tgではドキシサイクリン投与により、PyV-mTの発現とCreの発現が同時に制御でき、rac1(-/-)/floxed-rac1-EGFPTgへこの2重Tgを導入することにより、ドキシサイクリン投与中止により乳腺の同一の細胞でRac1の欠損、PyV-mTの発現が生じる。従って、PyV-mT発現によって生じる乳癌発生、転移におけるRac1の関与を解析することが可能である。また、PyV-mTの代わりに活性型H-Rasを発現する同様のマウスも2系統作製した。この系では、活性化型H-Rasのように発がんの初期段階で必要とされる分子ががん細胞の悪性化、もしくは悪性であることの維持に必要であるかどうかを、腫瘍形成後に発現をドキシサイクリン投与によつて停止することによって、腫瘍の進行に変化が生じるかどうかを検討することにより明らかにできる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kishimoto et al.: "mGluR1 in cerebellar Purkinje cells is required for normal association of temporally contiguous stimuli in classical conditoning"Eur. J. Neurosci.. 16. 2416-2424 (2002)
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[Publications] Muto et al.: "Pioglitazone treatment improved the cardiac and renal cystic phenotype of a targeted Pkd1 mutant"Hum. Mol. Genet.. 11. 1731-1742 (2002)
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[Publications] Tabata et al.: "Extracellular calcium controls the dynamic range of neuronal metabotropic glutamate receptor responses"Mol. Cell. Neurosci.. 20. 56-68 (2002)