2002 Fiscal Year Annual Research Report
新組み換え技術を用いたがん治療用麻疹ウイルスベクターの開発
Project/Area Number |
14030015
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小原 恭子 東京大学, 医科学研究所, 講師 (20225478)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 知恵子 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10167330)
|
Keywords | リバースジェネティクス法 / C型肝炎ウイルス / 肝がん / AFP / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本研究では、本来肝臓に親和性のない麻疹ウイルス(MV)をリバースジェネティクス法を用いて改良し、肝がん細胞にターゲティングする治療ベクター(rMV)の作製を目的としている。肝がん特異的なrMVを作出するため、まず肝がんに多く発現する胎児性抗原であるα-fetoprotein (AFP)を認識するモノクロナール抗体(mAb)の可変領域(VH,VL)をつなげた遺伝子(scFv)のクローニング・作製を試みた。抗AFP hybridoma細胞(OM3.1-1)からVH,VL領域をRT-PCR法によりクローニングし、MVのレセプター結合蛋白質である膜蛋白遺伝子HのC末端につなげた。これを、MVフルゲノムDNAにさらに組み込んでrMV-scFVを作製した。現在、一定法に従い組み換えウイルスのレスキューを行っている。 また、新たな腫瘍抗原を探索する目的で、全長C型肝炎ウイルス(HCV)-cDNAを発現・継代して腫瘍原性が亢進した細胞をマウスに免疫し、mAbを作製した。ELISAで1000クローン以上をスクリーニングし、HCV発現継代細胞の表面で発現変化する抗原を認識するクローンを何種か得た。このうちクローン2-152、2-433、2-243はそれぞれ約50、30、70kDa.の分子を認識した。50kDa.分子はHCV陽性の全ての患者(5/5)でがん部での発現が上昇していた。これに対し、B型肝炎ウイルス(HBV)陽性、非B非C型肝がん患者ではそれぞれ60%(3/5)、40%(2/5)で上昇していた。また70、30kDa.分子は各患者群の20〜60%でがん部での発現上昇が見られた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Yoneda, M., et al.: "Rinderpest virus H protein : role in determining host range in rabbits"J. Gen. Virol.. 83(Pt 6). 1457-1463 (2002)
-
[Publications] Hirama, K. et al.: "Lymphocyte Activity Specific for Hemagglutinin (H) Protein of Canine Distemper Virus in Dogs"J.V.M.S.. 65. 109-112 (2003)
-
[Publications] Kashiwagi, T., et al.: "Kinetic analysis of C-terminally truncated RNA-dependent RNA polymerase of Hepatitis C virus"B.B.R.C.. 290. 1188-1194 (2002)
-
[Publications] 小原 恭子: "代謝および脂肪分化制御における4E-BP1の新たな役割"実験医学. 4 (2002)
-
[Publications] 小原道法, 町田圭吾, 小原恭子: "C型肝炎ウイルスによる細胞死抑制と病原性発現機序 特集●慢性肝炎と肝癌"Mlecular Medicine. 6 (2002)