2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽細胞腫を標的とする遺伝子治療の臨床展開とその有用性の検討
Project/Area Number |
14030016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真部 淳 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20292849)
山下 直秀 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90174680)
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Keywords | 神経芽腫 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
我々は再発あるいは進行性の第IV期神経芽腫と診断された4歳以上16歳未満の患者に対するIL-2とLymphotactinを組み込んだ神経芽腫細胞(腫瘍ワクチン細胞)を用いた免疫遺伝子治療の臨床試験(Phase I)を計画した。前臨床試験にて、神経芽腫細胞の培養・遺伝子の導入についての方法と安全性は確立された。その後、この計画は02年3月厚労省と文科省において承認された。 02年5月から適応候補患児が紹介されている。 第1症例:治療抵抗性神経芽腫の8歳男児。98年4月発症。腹部原発腫瘍は標準的な化学療法に抵抗性で、02年9月全身の骨に転移した。骨髄では光顕上腫瘍を認めなかったが、1週間の培養によりGD2陽性細胞が多数出現した。 第2症例:治療抵抗性神経芽腫の7歳女児。97年12月発症。化学療法後自家骨髄移植を施行したがその後も腫瘍は残存した。その後化学療法・MIBGによる核医学治療を受けるも抵抗性。骨髄転移あり。 第3症例:治療抵抗性神経芽腫の13歳女児。95年8月頚部に発症。化学療法後自家骨髄移植を施行したが、骨髄・骨盤・頭部に再発した。化学療法と放射線治療を行うもコントロール不能。 これら3例について症例検討会議ならびに施設内審査会において遺伝子治療の適否が討議されたが、いずれも適応なしと判断された。
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