2003 Fiscal Year Annual Research Report
白血病に選択性を有する分子標的治療法ならびにその評価法の開発
Project/Area Number |
14030033
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
直江 知樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50217634)
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Keywords | 分子標的治療 / キナーゼ阻害剤 / アポトーシス / 白血病 / FLT3 / TEL / トランスインフォメーション / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
白血病に選択性を有する分子標的療法の開発のため、白血病に認められる活性型キナーゼ変異の探索、キナーゼを標的分子とした治療理念の検証、キナーゼ阻害剤のスクリーニング、その評価系の確立を行なっている。急性骨髄性白血病(AML)の30%に活性型変異の認められるFLT3を標的とした治療法について、まず変異FLT3は野生型FLT3とは異なった生存シグナルに寄与し、白血病細胞のアポトーシス誘導を行うためには、FLT3の下流シグナルの遮断よりもFLT3キナーゼ阻害が有効であることを明らかにした。また臨床検体におけるFLT3の発現解析を進めるうちに、野生型FLT3が高発現するAML症例が10%近くに存在し、FLT3高発現が自己リン酸化を起こしていることを見出した。FLT3阻害剤の新たな適応となる可能性が示唆される。ハイスループットによる変異FLT3に有効な限害剤のスクリーニングを行い、新規構造物を含む複数の阻害剤を得て特許申請を行った。また、vitroおよびvivo活性について研究を進めた。一方、白血病における活性型変異キナーゼの探索を行う第一段階として、TEL遺伝子の下流にcDNAを挿入した融合遺伝子ライブラリーを作製し、その中から多量体化によて活性化し細胞増殖を促進する遺伝子を網羅的にクローニングする方法を考案した。この方法の検証を行うため、白血病検体から融合遺伝子ライブラリーを作成し、32Dをトランスフォームしたところ、LYN、HCK、FGR、FLT3など、活性化変異の可能性を有する一連の遺伝子群が得られた。今後、直接cDNAライブラリーのなかで細胞増殖活性を有するものをスクリーニングする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kanie T: "TEL-Syk fusion constitutively activates PI3-K/Akt, MAPK and JAK2-independent STAT5 signal pathways."Leukemia. 18. 548-555 (2004)
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[Publications] Watamoto K: "Altered interaction of HDAC5 with GATA-1 during MEL cell differentiation."Oncogene. 11. 9176-9184 (2003)
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[Publications] Ozeki N: "Biologic and clinical significance of the FLT3 transcript level in acutemyeloid leukemia"Blood. 1. 1901-1908 (2004)
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[Publications] Matsuno N: "Dual mutations in the AML1 and FLT3 genes are associated with leukemogenesis in acute myeloblastic leukemia of the MO subtype."Leukemia. 17. 2492-2499 (2003)
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[Publications] Kajiguchi T: "Sustained activation of c-jun-terminal kinase (JNK) is closely related to arsenic trioxide-induced apoptosis in an acute myeloid leukemia (M2)-derived cell line, NKM-1."Leukemia. 17. 2189-2195 (2003)
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[Publications] Minami Y: "Different antiapoptotic pathways between wild-type and mutated FLT3 : insights into therapeutic targets in leukemia."Blood. 15. 2969-2975 (2003)