2002 Fiscal Year Annual Research Report
CDC25phosphataseを標的とした消化器癌の治療
Project/Area Number |
14030053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30322184)
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Keywords | CDC25 phosphatase / 消化器癌 / アデノウイルス / Antisense / Cre-LoxP |
Research Abstract |
癌遺伝子CDC25 phosphataseの癌における発現と機能的役割を明らかにし,CDC25を分子標的とした治療法の開発が目的である。 方法と結果(1)すでに食道癌,大腸癌についてCDC25の発現は報告済みである(Brit J Cancer,2001,Cancer Res,2000)。本年度は、CDC25Aの肝癌における知見を論文にまとめた。(2)293細胞を用いてCDC25 virus液を段階的に増幅してゆき濃縮していったが、最終的に僅かなvirusしか精製できなかった。VirusのDNAからは、CDC25Bの組込みが確認されたので、293細胞がCDC25Bの遺伝子操作によりtoxicな影響がでて十分なvirusが産生できない可能性が考えられた。そこで、Cre-LoxPシステムを用いて、CDC25B cDNAの後にstufferをつけたsilent virusと、CAG promoter誘導下にCreを発現するvirus液を別々に用意し、標的癌細胞に共感染させるシステムに変更することにした。これにより、Creがstufferを切り出され、CDC25Bの外来性の遺伝子発現が実現される。(3)CDC25AのAntisense oligoをCD25A mRNAの翻訳開始部位を含んで少し手前の配列から数種類antisense oligoを設計し、うちひとつの配列(18mer)がCDC25Aの発現を特異的に抑制することを確認した。このOligoを用いて肝癌細胞株の強い増殖抑制を認めた。 考察と問題点 現在までにCDC25Aの機能解析についてはoligoを用いてのantisense系を確立した。一方、CDC25Bのantisense, sense発現系はCre-LoxPによる共感染法に切り替え、ようやく実験系が機能しつつある。
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Research Products
(1 results)