2002 Fiscal Year Annual Research Report
がん特異的遺伝子導入法を用いた血管新生阻害治療の試み
Project/Area Number |
14030056
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
廣畑 聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90332791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 俊孝 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (50194262)
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Keywords | IV型コラーゲン / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん休眠療法の遺伝子治療の開発である。IV型コラーゲンα3鎖のNC1ドメインは、tumstatinとも呼ばれ、血管新生阻害作用を持つことが報告されている。しかしながらIV型コラーゲンα3鎖のNC1ドメインを治療に利用するにあたっては、同部位がGoodpasture症候群の自己抗原認識部位であることから、がん特異的な遺伝子発現が重要と考えられた。 そこでhTERT(ヒトテロメラーゼ遺伝子)のプロモーター領域を組み込んだベクターにIV型コラーゲンα3鎖のNC1ドメインを下流に位置することにより、がん細胞特異的遺伝子導入法を試みた。コントロールとして、LacZをいれたベクターによる検討では、hTERTの発現がない細胞である正常内皮細胞には、観察しえた限りではX-gal染色は見られなかった。内皮細胞の他に心臓由来線維芽細胞を用いた実験でも同様の結果が得られた。がん細胞(PC-3,DU145)においてのみ、LacZの発現が見られた。この結果は、CMVベクター下にLacZを挿入した(細胞特異性がない)ものを用いたものと比較して著しい差は認められなかった。 NC1ドメインの遺伝子発現効率は、LacZ細胞とほぼ同等であると考えられたが、タンパクレベルの発現は充分なものではなかった。血管新生阻害効果を治療応用するには、発現効率を高めることが必須であり、アデノウイルスを用いた新しい発現カセットを作成が重要と考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takemoto S: "Increased expression of dermatopontin mRNA in the infarct zone of experimentally induced myocardial infarction in rats: comparison with decorin and type I collagen mRNAs"Basic Research in Cardiology. 97(6). 461-468 (2002)
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[Publications] Komata T: "Caspase-8 gene therapy using the human telomerase reverse transcriptase promoter for malignant glioma cells"Hum Gene Ther. 13(9). 1015-1025 (2002)
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[Publications] Hitohata S: "Punctin, a novel ADAMTS-like molecule (ADAMTSL-1) in extracellular matrix"J Biol Chem. 277(14). 12182-12189 (2002)