2002 Fiscal Year Annual Research Report
前癌病変良性M蛋白血症から骨髄腫への進展に関する分子疫学的研究
Project/Area Number |
14031215
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河野 道生 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40161343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 禎夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20305220)
津山 尚宏 山口大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10335747)
石川 秀明 山口大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40294623)
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Keywords | 骨髄腫 / 骨髄腫細胞 / 未熟型骨髄腫細胞 / MGUS / 遺伝子プロファイリング / IL-6 |
Research Abstract |
本研究は、BMGから骨髄腫へ進展するのを早期に検出できる指標を明らかにするとともに、その進展の機序を遺伝子発現プロファイリング等の手法から検討した。 BMG患者50例および骨髄腫患者50例につき、informed consentを得た後骨髄穿刺を行い、骨髄穿刺液を採取した。形質細胞亜群の解析結果は、BMGのままで安定している症例40例では骨髄中の単クローン性形質細胞の増加はなく中間型あるいは成熟型形質細胞が主体であり、未熟型形質細胞は少なかった。一方、BMGから骨髄腫への進展をうかがわせた10症例では、骨髄中の単クローン性形質細胞(CD19-)の増加があり、その中で未熟型形質細胞が増加していた。未熟型形質細胞のさらにCD45+(MPC-1-CD49e-)細胞の増加が見られた。 一部の症例では、セル・ソーターで形質細胞亜群(未熟型(MPC-1-)、中間型および成熟型(MPC-1+))を分取した後、それぞれの細胞分画からRNAを抽出した。また、骨髄腫細胞株ILKM2,ILKM3を使用して、増殖因子IL-6で刺激前、刺激後3時間の細胞を回収してRNAを抽出し、常法のごとくCy3あるいはCy5でラベルした後、Atlas^<TM> Glass Human 7.6(Clontech)のスライドガラスを用い、遺伝子発現プロファイリングを解析した。IL-6で増殖刺激した後の遺伝子発現では、12種類の遺伝子が発現上昇し、逆に54種類の遺伝子発現が有意に減少した。 以上、骨髄腫細胞株を使用した遺伝子プロファイリングの検討を行った結果からは、増殖因子IL-6に応答して発現が増加する遺伝子が明らかになった。未熟型形質細胞のIL-6による増殖反応の機序を考える上で極めて重要な情報を得ることができた。一方で、BMGと骨髄腫とで未熟型骨髄腫細胞に遺伝子発現に大きな相違はないことは、未熟型形質細胞そのものの分子細胞生物学的研究をさらに進める必要がある。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ishikawa H: "Requirement of src family kinase activity associated with CD45 for myeloma cell proliferation by interleukin-6"Blood. 99. 2172-2178 (2002)
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[Publications] Ishikawa H: "CD19 expression and growth inhibition of tumours in human multiple myeloma"Leuk Lymphom. 43. 613-616 (2002)
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[Publications] 河野 道生: "多発性骨髄腫-最近の進歩"Currents in Hematoimmunology. 18. 4-9 (2002)
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[Publications] 河野 道生: "Mタンパク血症の概念-骨髄腫とMGUS(良性Mタンパク血症)-"血液フロンテイア. 12. 577-581 (2002)
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[Publications] 河野 道生: "検査計画法 血液疾患編 9.血漿蛋白異常症"綜合臨床. 51. 1719-1723 (2002)
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[Publications] 河野 道生: "特集 内科100年のあゆみ(血液) III.主要疾患の歴史 8.多発性骨髄腫"日本内科学会雑誌. 91. 152-159 (2002)
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[Publications] 河野 道生: "エッセンシャル血液病学"柴田 昭、池田康夫、朝長万左男、堀田知光. 277 (2002)
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[Publications] 河野 道生: "シュミレーション内科 血液疾患を探る"別所正美、金倉 譲. 230 (2002)