2002 Fiscal Year Annual Research Report
Cdk5のダウンレギュレーションと長期増強に関する研究
Project/Area Number |
14033240
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久永 真市 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20181092)
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Keywords | プロテアソーム / 蛋白分解 / Cdk5 / リン酸化 / 神経細胞 / 長期増強 / カルシウム / NMDA |
Research Abstract |
Cdk5/p35は分化した神経細胞で活性が検出される特異なCdkである。増殖細胞におけるCdkが細胞周期に依存して活性が調節されるのに対して、神経細胞内におけるCdk5がどのように活性調節されているのかよく判っていない。神経細胞では細胞を同調させようがなく、活性化・不活性化の解析が殆どされていなかった。我々は興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸が、p35の一斉分解を引き起こすことを見つけた。今年度はその分解誘導機構について解析した。NMDAはカルシウムチャンネルであり、p35の分解にはカルシウムの流入が必要であった。しかし、カルシウムイオノフォアによる多量のカルシウム流入はカルパインによるp25への限定分解を引き起こし、適度なカルシウム上昇がでなければp35のプロテアソームによる全分解は起こらなかった。カルシウムはCdk5の一時的な活性化とそれに伴うp35のリン酸化を引き起こした。p35のリン酸化はプロテアソームによる分解シグナルとなり、分解が促進されるものと考えられた。この現象はマウス個体でも観察され、生理的に意義のあるものと考えられた。グルタミン酸のNMDA受容体は長期増強(シナプス可塑性や記憶形成)に関与していることが知られている。Cdk5活性とLTPとの関連について調べた。p35欠損マウスを用いてLTP誘導をみたところ、特に弱い刺激でLTPの誘導が起こり易く、Cdk5はLTP誘導の閾値を決めている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takahashi, S. et al.: "Tau phosphorylation by cyclin-dependent kinase 5/p39 during brain development reduces its affinity for microtubules"J. Biol. Chem.. (in press). (2003)
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[Publications] Saito, T. et al.: "Developmental regulation of the proteolysis of the p35 Cdk5 activator by phosphorylation"J. Neurosci.. 23. 1189-1197 (2003)
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[Publications] Hashiguchi, M. et al.: "Truncation of CDK5 activator p35 induces intensive phosphorylation of Ser202/Thr205 of human tau 40"J. Biol. Chem.. 277. 44524-44530 (2002)
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[Publications] Sasaki, T. et al.: "In vivo and in vitro phosphorylation at Ser493 in the E-segment of neurofilament-H subunit by GSK3b"J. Biol. Chem.. 277. 36032-36039 (2002)
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[Publications] Iida, J. et al.: "The projection domain of MAP4 suppresses the microtubule-bundling activity of the microtubule-binding domain"J. Mol. Biol.. 320. 97-106 (2002)
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[Publications] Alim, M.A.et al.: "Tubulin seeds a-synuclein fibril formation"J. Biol. Chem.. 272. 2112-2117 (2002)